• TSRデータインサイト

「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産動向(2017年度)

 2018年3月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産は1件だけだった。金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じるなどの金融支援や、大手企業に牽引される形での緩やかな景気回復も影響して、企業倒産は低水準で推移している。

円滑化法関連倒産推移

2018年3月の負債総額、2カ月ぶりに前年同月を下回る

 2018年3月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産での負債総額は、3億2,200万円(前年同月比90.6%減)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。

2017年度、件数が前年度より約6割減

 2017年度(2017年4月-2018年3月)の累計は27件(前年度比57.8%減、前年度64件)になり、前年度より約6割減になった。また、負債総額は145億5,400万円(同73.4%減、同547億6,100万円)で前年度より大幅に減少した。

 2017年度の負債額別では、10億円以上の大型倒産が6件(前年度10件)で、最多は1億円以上5億円未満の7件(同34件)だった。
 産業別では、最多が製造業の9件(同23件)。次いで、卸売業6件(同15件)、建設業・情報通信業・サービス業他が各3件と続く。
 原因別では、販売不振14件(同31件)が最も多かった。次いで、既往のシワ寄せ(赤字累積)が11件(同25件)と続く。

 形態別では、最多が事業消滅型の破産が17件(同38件)だったのに対し、再建型の民事再生法は4件(同6件)にとどまった。業績不振から事業継続を断念するケースが依然として多い。
 従業員数別では、最多が5人以上10人未満の9件(同22件)。次いで、5人未満が8件(同20件)だった。この結果、従業員数10人未満は17件(構成比62.9%、前年度42件)で、小規模企業が全体の6割を占めた。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ