ゴルフスタジアム問題、債権者集会で資金流出の可能性を指摘
レッスンプロ18名が破産を申し立て、昨年7月21日、東京地裁から破産開始決定を受けた(株)ゴルフスタジアム(TSR企業コード:296139424、東京都豊島区、登記上:東京都港区、堀新社長、以下:ゴルフ社)。その2回目の債権者集会が3月27日、東京地裁で開かれた。
出席した関係者によると、破産管財人から実態が明らかでない取引が多数存在し、多額の資金移動を確認したと説明があったという。
堀社長は3月28日、TSRの取材に応じ、「破産管財人に協力し、債権者からの質問にもできる限り答えていきたい」と述べた。
1,000名を超すレッスンプロが巻き込まれたゴルフスタジアム問題。レッスンプロの中には、すでに自己破産を申請した人もいる。
時間の経過とともに被害が拡大しているゴルスタ問題の今をTSR情報部が追った。
トラブルの発端
ゴルフ社は、無料でホームページを作成する代わりに数百万円のスイング解析ソフトを信販会社のクレジットでレッスンプロに販売。その一方、レッスンプロにはゴルフ社がホームページの広告代金でソフト購入代金と相殺し、実質無料という認識だった。
しかし、昨年2月にゴルフ社の資金繰りが悪化し広告料の支払いが停止すると、レッスンプロは信販会社への負債だけが残り、トラブルとなっていた。
この事態を受けレッスンプロらは、「ゴルフスタジアム被害者を守る会」を結成し、有志18名が昨年6月に破産を申し立てていた。同時に被害者の会は信販会社に債務不存在などを求めて集団提訴し、現在も裁判は進行中だ。
資金流出の可能性を指摘
破産管財人の調査で、ゴルフ社から堀社長個人の預金口座や証券口座に約2億1,800万円の資金移動が確認されたという。社長は、「会社の支払いなどに使用した」と説明した。
また、ゴルフ社から資金流出の可能性がある取引先も約10社確認されている。このうち5社はすでに事業を停止し、1社は民事再生手続中という。ただ、ともに全容解明には至らず、破産管財人の調査は継続している。
3回目の債権者集会は8月1日の予定だが、進捗は鈍いと言わざるを得ない。また、被害者の会が信販会社に債務不存在を求めた裁判の第1審は、2019年春ごろの結審が見込まれている。レッスンプロから集めた40億円超の資金がどこに消えたのか、解明が急がれる。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年3月29日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)