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2017年度(4-12月)実績 信用保証協会「保証状況」調査

 2017年4-12月の全国51信用保証協会(以下、保証協会)の保証承諾は48万246件(前年同期比3.9%減)、金額も6兆490億円(同5.5%減)と、件数、金額ともに前年同期を下回った。
 51保証協会のうち、件数では37保証協会(構成比72.5%)、金額では38保証協会(同74.5%)が前年同期を下回った。2016年2月に日本銀行がマイナス金利を導入以降、金融機関の低金利競争が激化し、企業が借入で保証料の割高さを感じることから保証協会の利用を避ける動きも見られる。
 リーマン・ショック後の2009年12月、中小企業等金融円滑化法の施行で、中小企業は資金調達と同時に、金融機関への借入金返済の条件変更で資金繰り緩和を求めるようになった。ここ数年は金融機関の貸出競争が激化し、金融機関は他行借入をプロパー融資への借換えを進めてきた。また、企業倒産の減少でデフォルト率も低下したが、2009年度から2016年度まで保証承諾件数は8年連続で前年を下回り、2017年度も保証承諾の低下に歯止めが掛かっていない。
 金融庁は、金融機関に業績や保証、担保に依存した「日本型金融」から脱却し、将来性などを判断した「事業性評価」による貸出を促している。こうした動きを背景に、信用保証協会も従来の信用補完機能にとどまらず、事業再生や事業承継を支援する多様な動きを求められている。


  • ※本調査は、全国51信用保証協会が開示した年度別データを分析した。2017年度は4-12月の実績数値で、前年同期(2016年4-12月)と比較した。

保証承諾状況

保証承諾 近畿を除く8地区で減少

 2017年4-12月の保証承諾件数は48万246件(前年同期比3.9%減)、保証承諾金額は6兆490億円(同5.5%減)と、そろって減少した。全国51保証協会のうち、承諾件数は37保証協会(構成比72.5%)、同金額は38保証協会(同74.5%)と、7割の保証協会が前年同期を下回っている。
 2007年10月に導入された責任共有制度で、金融機関は保証協会付き貸出のリスク負担が2割に増えた。また、2009年12月の中小企業等金融円滑化法で返済猶予が増えたほか、最近は金融庁が金融機関に対し保証に過度に依存しない貸出を促し、低金利競争下で企業において保証料の割高感もあり保証協会の保証承諾件数は減少の一途をたどっている。
 地区別の保証承諾件数は、最多は関東の17万5,465件(前年同期比2.6%減)。次いで、中部7万8,252件(同5.5%減)、近畿6万8,380件(同3.5%増)、九州4万9,186件(同12.0%減)、東北3万6,617件(同4.5%減)と続く。最少は北陸の7,624件(同7.2%減)だった。
 唯一、前年同期を上回った近畿は、6保証協会のうち滋賀県、大阪、兵庫県の3保証協会で保証承諾件数が増加した。これは短期継続保証などの新制度が受け入れられたためとみられる。

 最も承諾件数が少なかった北陸は、富山県、福井県の2保証協会が2ケタの減少率だった。
 51保証協会のうち、保証承諾件数が前年同期を上回ったのは14保証協会(構成比27.4%)。
 個別の信用保証協会では、増加率のトップは岐阜市(前年同期比18.5%増)。次いで、滋賀県(同14.5%増)、島根県(同10.1%増)と続く。岐阜市は「2017年1月から手形(短期)借換保証制度で折り返し融資が件数を押し上げた」と伸びた要因をあげている。滋賀県は「2017年11月からの新制度の短期継続保証による新規枠取りで件数が増加した」。島根県は「当座貸越の2年毎の更新が2017年度であったため」。
 他の保証協会では、「短期継続保証がニーズに合った」(兵庫県)、「創業支援により件数が伸びた」(青森県、東京)、「県制度保証が伸びたが、昨年度の減少のより戻し」(佐賀県)、「地方公共団体による保証料の優遇措置、カードローンの2年毎の更新があった」(宮崎県)、「条件変更先の借換や経営支援で伸びた」(大阪)など、保証承諾件数が伸びた理由をあげた。

代位弁済 全国9地区で件数・金額が前年同期を下回る

 2017年4-12月の代位弁済は、件数が2万6,794件(前年同期比11.5%減)、金額が2,592億円(同12.9%減)だった。企業倒産の減少などを背景に、51保証協会のうち、前年同期を上回ったのは件数で15保証協会(構成比29.4%)、金額で14保証協会(同27.4%)にとどまった。
 代位弁済率(代位弁済÷保証債務残高)は、件数が1.0%、金額が1.1%だった。最近のピークは、リーマン・ショック直後の2008年度の件数3.1%、金額3.1%で、約3分の1に低下している。この背景には、事業継続の意思がある企業には返済条件の変更で対応している可能性もある。


 2016年9月に金融庁が『金融仲介機能のベンチマーク』を公表し、金融機関に担保や保証に依存しない「日本型金融」からの脱却を求めている。これまで金融機関は業績や財務分析を重視し、裏付けとなる資産が乏しく、リスクの高い中小企業への貸出の多くは信用保証協会付で対応してきた。しかし、低金利の貸出が激化し、企業倒産も減少している環境下で保証料の割高感もあることから、他行借入をプロパー貸出による借換融資で貸出実績を伸ばす動きも散見された。
 企業業績の二極化が拡大する中、金融機関は企業の将来性を判断した「事業性評価」による貸出、無担保・無保証による貸出への転換が急務になっている。ただ、金融機関の対応には温度差があり、定着には「目利き力」の育成などで相当な時間が必要だろう。
 信用保証協会は、信用度の低い中小企業の資金調達に重要な存在であることに変わりはない。
 近年、「経営者保証に関するガイドライン」に基づき経営者の保証がなくても利用できるようになった。一方で、2018年4月から新たな信用保証制度が導入され、企業のライフステージに合わせて金融機関との保証割合が変更される。金融機関と企業に自立を促す意味合いが強いが、これにより保証協会利用が減少するとの見方もある。だが、信用保証協会は従来の信用補完機能だけでなく、地域経済を担っている中小企業が抱える種々の課題、例えば事業承継や事業再生、自己資本の充実に向けた施策などと絡めた新たな方向性も問われている。

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