• TSRデータインサイト

JT 英国の取引先に最大221億円の焦付の可能性

 11月29日、日本たばこ産業(株)(TSR企業コード:292148852、東京都、東証1部、以下JT)は、Palmer & Harvey(Holdings)Plc(DUNS:211041896、イギリス、以下P&H)が28日にイギリス企業倒産法に則した手続の適用を申請したことに伴い、最大221億円(1億4,800万ポンド)の取立不能または遅延が生じる恐れがあると発表した。
 債権を有するのはJTの子会社で海外事業を統括するJT International S.A(スイス、以下JTI)の管轄下にある法人。JTの担当者によると、「JTIの管轄下にある法人とP&Hは企業間の契約関係がある」という。JTの英国での販売量のうち、P&Hが約25%を占めている。JTは今後、取引関係のあるP&H以外の流通業者などを活用し、英国での商品供給を行う方針。
 JTは、「現時点では当社グループへの財務影響を合理的に算定することは困難」(リリース資料)として、業績予想を変更していない。JTの担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「債権が回収不能になるのか、遅延して回収出来るのか読めないため」とコメントしている。
 なお、JTの2017年12月期の業績予想(連結)は、売上高2兆1,300億円、営業利益5,650億円、当期純利益4,020億円。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月4日号掲載予定「SPOT情報」を転載)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ