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タカタへの届出債権、35兆8,393億円まで膨らんだ理由

 エアバッグ大手のタカタ(株)(TSR企業コード:295877413、東京都)への届出債権が35兆8,393億円と巨額に上ったことへの衝撃が広がっている。届出債権を通貨別にみると、米ドル建てが30兆4,620億円(2,688億ドル)と突出している。
 タカタが東京地裁へ提出した再生債権認否書を細かく見ると、エアバッグの異常破裂による事故に関連するとみられる損害賠償請求として6兆7,980億円(600億ドル)が海外所在の代理人(弁護士)を通じて複数届出されている。タカタは「債権不存在」を理由に全額を否認しているが、製品が海外で不具合を起こした場合、巨額の損害賠償請求のリスクが降りかかる可能性があることをまざまざと見せつけた。
 タカタの担当者は11月15日、東京商工リサーチの取材に対し、「(事故に関連する)損害賠償請求が民事再生手続きから全て除外されるわけではない。ただ、個別事案の詳細は答えられない」と話した。


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 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年11月17日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

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