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独占インタビュー! ゴルフスタジアム堀社長「資金は隠していない」

 「2度目の破産だ。だますつもりはなかった。資金も隠していない」。
1,000名を超えるレッスンプロらが取引を巡り集団提訴し、7月21日に東京地裁から破産開始決定を受けた(株)ゴルフスタジアム(TSR企業コード:296139424 以下、ゴルフ社)の堀新(あらた)社長が7月27日、東京商工リサーチ(TSR)の独占インタビューに応じた。
レッスンプロへの無料ホームページサービスのスキームは持続可能だったのか。数十億円に及ぶソフトの売上金はどこに消えたのか。
約2時間にわたり資金の流れなどを語った。

ゴルフスタジアムの前本社外観(2017年4月撮影)

ゴルフスタジアムの前本社外観(2017月4月撮影)

 ゴルフ社はゴルフ関連サービスで事業を拡大してきたが、大黒柱の事業で顧客から集団提訴され行き詰まった。
レッスンプロら顧客が無料でホームページ作成のサービスを受ける代わりに、ゴルフ社からスイング解析ソフトを購入する。そのソフト代金の数百万円はゴルフ社が広告料の名目で支払い、実質無料のふれこみだった。ところが今年2月、広告料の支払いが滞り、顧客は信販会社に約40億円の債務を負うことになった。
突然の事態に驚いた顧客は「ゴルフスタジアム被害者を守る会(被害者の会)」を結成した。5月26日、まず会員の一部が信販会社に債務不存在を求め集団提訴し、6月にも追加で提訴した。同時に、「被害者の会」は警視庁捜査2課に詐欺の疑いなどで相談している。
そうした中、6月27日に「被害者の会」の18名がゴルフ社の破産を東京地裁に申し立て、7月21日に破産開始決定を受けた。

インタビュー内容

 インタビューは7月27日、午後4時からTSR本社(東京都千代田区)で行った。主なやり取りは以下の通り(以下、敬称略)。

―何度も取材を申し込んだが、一度も応じなかった理由は
堀:まずレッスンプロら関係者すべてに経緯をお話ししようと考えていた。また、業界としてゴルフ関連の雑誌には説明してきた。その後にメディアということで説明が遅れた。拒否しているということではなかった。
これまでのTSRの記事は読んでおり、内容はほぼ間違いない。何か嫌われることをしたのかな。

―トラブルとなった取引のスキームは
堀:ホームページを無料で作成し、そのページの広告利用枠を定額で買い取らせていただく。そしてゴルフ社がお客様にスイング解析ソフトを販売し、お客様は信販会社と割賦契約を結んでいただくスキームだ。
―同じソフトを複数枚購入している人や金額が違うのは
堀:弊社の営業マンとお客様との話し合いで枚数や金額を決めていた。ソフトの金額は平均300万円から400万円。拡大路線を進めてきたので、営業マンに厳しく指導してきた。営業に行き過ぎた面はあるかもしれない。

―スイング解析ソフトの仕入スキームは
堀:通常はゴルフ社がレッスンプロらに直接、販売していた。それが、2016年4月ごろに大手通信会社から接触があり、同年5月から大手通信会社を間に挟んだ取引となった。独立した元関連会社のG社に協力してもらい、G社から大手通信会社を経由してゴルフ社が仕入れ、レッスンプロらに販売していた。
業績面にメリットはなかったが、大手通信会社との取引は、営業に繋がると考えていた。記憶があいまいだが、スイング解析ソフトの権利はG社に売却したのかもしれない。

―循環取引ではないのか
堀:元関連会社G社を使った取引で、最終的にゴルフ社が仕入れたので循環取引に近かったのかもしれない。当初の年間の取引額は20億円から24億円を予定していた。
ただ、大手通信会社は内部監査があったようで突然取引を打ち切られた。そのため、大手通信会社に仕入代金の支払いができなくなり、分割払いをお願いした。しかし、提訴され、約4億円の支払い命令を受けた。

―今年2月末の広告料はなぜ滞ったのか
堀:2月末に予定していた入金がなかったのが主な要因。広告料の支払いではなく、新しいビジネスを立ち上げ、その売上で未払いとなった広告料に充てようと考えていた。
お客様すべてに説明し、信販会社との交渉を目的とした弁護士費用も当社が立て替える提案もした。しかし、大きく報道されたことで潮目が変わり、ビジネスの話ができなくなった。

―スイング解析ソフトの販売はいつまでしていたのか
堀: 広告料金の支払いが滞ったあとは契約していない。

―グループ企業の再編で資金流出が疑われている
堀:G社は、債務超過だったので独立した社員に無償で2015年8月に譲渡した。大手通信会社の取引で協力してもらった関係だった。
ゴルフ三昧(株)(TSR企業コード:017830656)は、2016年4月にシステムを現物出資で新設分割した。この会社はゴルフ場予約サイトとゴルフチケット販売サイトのシステムを保有していたが、今年5月末ごろに別の会社が出資したRQ社に300万円で売却した。弊社の大阪営業所と同所で事業を行い、弊社元社員2名が携わっていると聞いている。
I社の大株主だったが、あまり連携できず、メリットもなかった。そのため2016年5月、私の弟が経営する旅行会社のY社に株式の大半を4,000万円で売却した。
今年2月に新設した(株)ゴルフリンク(TSR企業コード:023838752)は各事業ごとに分社化しようと計画していた流れで設立した。ただ、実際は稼働していない。
R社の株式の一部を保有していたが、今年の2月頃に別のグループに株式を売却した。
A社は、ゴルフ社とは関係はない。報酬ももらっていない。
いずれにしても関連会社などに資金の流出はない。

―被害者の会が破産を申し立てた
堀:ニュースで知ってびっくりした。何も知らされてなく、突然だった。
色々とご迷惑をお掛けした取引先になんとかお返ししようと考えていた矢先だったので、正直破産するメリットがあるのかなと思う。

被害者を守る会の総会(2017年4月撮影、画像一部加工)

被害者を守る会の総会(2017月4月撮影、画像一部加工)
―審尋では何を伝えたか
堀:債権者の方に謝罪し、簡単に確認した程度で、1分ほどで終了した。

―審尋後、裁判所前で取材をお願いしたが、応じなかった理由は
堀:家族もいるので、写真を取られるのがいやだった。裁判のあとで説明するのも難しい状況だった。

―破産開始決定が出たが、管財人に資料など提供したか
堀:渡せる資料は管財人に渡すなど協力している。しかし、全社員を退職させ、バーチャルオフィスに移転したため、社員のパソコンなどは処分している。

―詐欺で告発の報道があるが、警察から聴取はされているのか
堀:連絡もない。

―ゴルフ社以外の関連会社はどうするのか。堀社長個人の自己破産は考えているのか
堀:関連会社については、管財人と相談しながら決める。今、自分のことは考えておらず、ゴルフ社の手続きのなかで決めていく。

―最後にクレジット債務を抱えるレッスンプロなどの債権者に伝えたいことは
堀:誠に申し訳ございません。事業を拡大して上場も目指していたが、私の能力不足でこのような事態となってしまった。

インタビュー後記

 ある企業のことを訊ねた。堀社長は「なぜその会社を知っているのか」という顔で一瞬絶句し、決心したように話し始めた。
「僕は10年以上前に保証していたその会社が倒産し、個人破産をした」。
そして、「ゴルフ社の社長となり、努力して売上30億円の会社に成長させた。しかし、売り上げ至上主義や組織体制の弱さなど実力不足があり、2度目の破産となった」とつぶやいた。

堀社長は「設計から建築まで2年かけて完成した新築の戸建てが今年3月16日に引き渡しだった。フルローンで購入したが、このような状況では住めないと考え、一度も入居せずに売却した。今は友人の助けで賃貸に住んでいる」と、今の生活ぶりを話した。そして「子供の送迎もあり、顔は出したくない」と、写真撮影は拒否した。
突然の債権者からの破産申し立てに、悔しさもにじませていた。だが、パソコンなどの資料の一部を廃棄している。関連会社やソフトの権利などの売却額が妥当な金額だったか精査も必要だ。
ゴルフ社の資産は銀行に凍結された預金約1億円以外はないという。
今後、破産管財人の手で事実が明らかにされるが、債権者救済の道はあるのだろうか。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年7月31日号掲載予定「Weekly Topics」を転載)

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