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「第四銀行・北越銀行の取引企業」調査

 3月16日、新潟県に本店を置く第一地銀の第四銀行(新潟市)と北越銀行(長岡市)は、それぞれ経営統合を検討していることを明らかにした。
 東京商工リサーチでは保有する国内最大級の企業データベースを活用し、第四銀行と北越銀行をメインバンクとする企業を調査した。これによると第四銀行をメインとする企業は1万2,323社、北越銀行は同じく5,917社の合計1万8,240社だった。
 新潟県を本店所在地とする第一地方銀行2行、第二地方銀行1行、信用金庫9信金、信用組合11組合のメイン企業数は、合計2万8,925社に達する。第四銀行と北越銀行が統合した場合、県内企業のメインシェアは63.0%となる。
 一方、2行の県内貸出金シェアは68.7%に達する。このことから上場企業と比較的規模の大きい企業との取引が2行に集中していることがうかがえる。


  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象398万社)から、第四銀行・北越銀行をメイン取引の企業を集計、分析した。メインバンクが複数ある場合は、最上位行をメインバンクとした。

第四銀行・北越銀行の概要

経営統合でメイン企業数、貸出金ともに県内で圧倒的なシェアに

 第四銀行と北越銀行をメインとする企業は、1万8,240社でメインシェアは63.0%だった。
 新潟県内の上場企業35社(金融を除く)のうち、第四銀行がメインの上場企業は21社、北越銀行は同じく4社の合計25社を数え、統合後の県内上場企業のメインシェアは71.4%に達する。
 一方、貸出金(2016年3月31日時点)は、第四銀行が2兆9,612億円、北越銀行が1兆5,150億円で合計4兆4,762億円になる。新潟県内の地銀から信組までの23金融機関の貸出金合計は6兆5,139億円で、2行の単純合算の貸出金シェアは68.7%に上る(第四銀行45.4%、北越銀行23.2%)。
 また、中小企業向け貸出金(同日時点)は、第四銀行は1兆6,942億円、北越銀行は1兆119億円で合計は2兆7,061億円。新潟県内の12金融機関(信用組合は除く)の中小企業向け貸出金合計は3兆9,508億円のうち、シェアは68.4%となる(第四銀行42.8%、北越銀行25.6%)。

新潟県内の地方銀行

新潟県内の金融機関の貸出金ほか

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