• TSRデータインサイト

「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産動向(2016年12月)

 2016年12月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産は5件(前年同月10件)にとどまり、7カ月連続で前年同月を下回った。
金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じるなどの金融支援や、中小企業向け貸出の増加などから、企業倒産は依然として低水準で推移している。

円滑化法関連倒産推移

2016年12月の負債総額、3カ月ぶりに前年同月を下回る

 2016年12月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産における負債総額は36億6,200万円(前年同月比70.3%減、前年同月123億3,800万円)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。負債10億円以上の大型倒産が1件(前年同月5件)にとどまったことが影響した。

2016年の累計件数、前年より4割減

 2016年(1-12月)の累計件数は76件(前年比44.9%減、前年138件)で、前年より4割減になった。負債総額は408億600万円(同34.3%減、同621億8,900万円)で前年より3割下回った。
負債額別では、10億円以上の大型倒産が10件(前年18件)に減少した。最も多かったのは1億円以上5億円未満の35件(同55件)だった。

2016年の産業別では、最多が製造業の23件(同43件)。次いで、建設業18件(同17件)、卸売業16件(同21件)、サービス業他9件(同24件)、小売業8件(同14件)と続く。
原因別では、販売不振39件(同75件)が最も多かった。次いで、既往のシワ寄せ(赤字累積)が30件(同33件)と続く。
形態別では、最多が事業消滅型の破産が46件(同90件)だったのに対し、再建型の民事再生法は7件(同8件)にとどまった。業績不振から事業継続を断念するケースが依然として多い。
従業員数別では、5人未満が27件(同53件)で最も多かった。次に5人以上10人未満の21件(同38件)だった。この結果、従業員数10人未満は48件(構成比63.1%、前年91件)で、小規模企業が全体の6割を占めた。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ