• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「円安」関連倒産(6月、上半期)

 6月のドル円相場は、円高・ドル安の基調で推移していたが、24日の東京外国為替市場では、英国の欧州連合(EU)を巡る国民投票で離脱派が優勢との観測から、円を買う動きが急激に強まり、午前11時半過ぎに2013年11月以来、2年7カ月ぶりに1ドル=99円台を付けた。
 こうしたなか、2016年6月の「円安」関連倒産は7件(前年同月24件)にとどまった。ただし、円安や円高に関わらず、振れが大きな為替変動は、中小企業の経営に影響が大きいため今後の為替相場の動きから目を離せない。

円安関連倒産月次推移

2016年6月の倒産事例

 電子玩具製造販売のワイ・シー・トイズ・ラボ(株)(TSR企業コード:575208058、法人番号:7120001107230、大阪府)は、中国の外注先で生産委託する体制を敷き、ベンチャーキャピタルからの出資を受けるなどで業容を拡大し、平成24年7月期には売上高4億2,964万円を計上していた。しかし、急速に進行した円安を背景に売上高が低下し、赤字経営に陥った。その後も円安基調が続くなかで、業績の立て直しが難しいことから破産を申請した。

上半期の産業別、小売業が前年同期を上回る

 2016年上半期(1-6月)の「円安」関連倒産は61件(前年同期比33.6%減、前年同期92件)だった。中国や新興国などの景気減速から資源価格が低下し、円安が必ずしもコスト高に直結していないことも影響した。こうしたなか、産業別では小売業(5→7件)が前年同期を上回った。今後も輸入品などを扱う企業の動向が注目される。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ