「人手不足」関連倒産 2015年累計は318件
全体の企業倒産が低水準で推移が続くなかで、「人手不足」関連倒産は前年を上回った。中小企業を中心に人手不足は解消していない。
東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計してきたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型が中心だった。だが、最近は「求人難」型もみられ、人手不足や人件費高騰は中小企業経営の重要課題になっている。
2015年12月の「人手不足」関連倒産は27件(前年同月25件)。内訳は、代表者死亡などによる「後継者難」型が25件、「求人難」型が1件、「従業員退職」型が1件だった。
事業継承問題が深刻さを増していることを背景に「後継者難」が圧倒的だが、景気回復の動きに合わせて人手不足感が高まりをみせるなかで「求人難」型の推移が注目される。
2015年(1-12月)の「人手不足」関連倒産は318件(前年比5.6%増、前年301件)。内訳は、代表者死亡などによる「後継者難」型が279件(前年271件)、「求人難」型が25件(同19件)、「従業員退職」型が14件(同11件)だった。また、人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したなどの「人件費高騰」関連倒産は、2015年(1-12月)は22件(前年26件)だった。