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2014年「倒産企業の財務データ分析」調査

 2014年(1-12月)に倒産した企業の赤字企業率は、生存企業の2倍超だった。また、借入依存度は平均71.2%で、過剰債務を抱えた企業が目立った。輸出企業を中心に好業績が目白押しのなか、景気回復の波に乗れない中小企業は多く、業績改善の動きが鈍いことがわかった。


  • ※本調査は、東京商工リサーチが保有する財務情報から3期連続データがある、2014年の倒産企業640社(個人企業を含む)と生存企業(27万7,452社)を無作為に抽出、比較した。最新決算データは2014年12月期まで。

2014年倒産企業 過半数が「減収」

 2014年に倒産した640社の最新期の総売上高は、3,443億9,998万円(前期比0.8%減、前期3,472億201万円)だった。このうち「減収企業」が、338社(構成比52.8%)と過半数を占め、倒産企業の売上不振を物語った。これに対し、生存企業の最新期の総売上高は前期比6.1%増と前期を上回り、「増収企業」が全体の54.4%を占めた。

倒産企業の赤字企業率48.4% 生存企業の2倍超

 赤字企業率(当期純損失を計上した企業数の比率)は、2014年の倒産企業640社が48.4%だった。全体の約半数が赤字経営で、生存企業の21.8%と比べて2倍超を示した。
倒産企業の赤字企業率は、前々期44.6%→前期48.7%→最新期48.4%と推移し、景気回復の波に乗れない業績不振企業の実態を浮き彫りにした。
一方、生存企業の赤字企業率は、前々期27.8%→前期24.8%→最新期21.8%と経営改善が進み、対照的な図式になった。

赤字企業率

倒産企業の有利子負債構成率 平均71.2%と高率

 借入依存度を示す「有利子負債構成率(総資産に対する長短借入金、社債などの割合)」では、2014年の倒産企業640社は平均71.2%、生存企業の平均29.1%と比べて高率が際立った。
倒産企業の有利子負債構成率は、前々期65.9%→前期68.1%→最新期71.2%と上昇を続け、生存企業が、前々期30.1%→前期30.0%→最新期29.1%と年々低下しているのに対し、過大な有利子負債(過剰債務)が経営の足かせになったこと浮き彫りにした。

有利子負債構成率

倒産企業の総資産 前期比4.1%減

 総資産額では、2014年の倒産企業640社は前期比4.1%減だった。生存企業の最新期の総資産が同4.3%増と増加したのと比べて、倒産企業の減少が目立った。倒産企業は、現預金、売掛債権、在庫の減少、さらに有形固定資産の売却などが総資産の減少につながったとみられる。

倒産企業の自己資本比率 債務超過企業が53.9%

 自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合)は、2014年の倒産企業640社の平均が▲3.3%(▲はマイナス)だった。自己資本比率は企業の基礎体力や安全性を示す指標で、この比率が低いほど借入金等への依存度が高く、比率のマイナスは債務超過を示す。生存企業の自己資本比率37.5%に比べて、倒産企業の財務内容の脆弱さが際立った。
最新期での自己資本比率別の構成比をみると、生存企業では自己資本比率30%以上が全体の48.6%を占めたのに対し、倒産企業640社では全体の9.2%にとどまり、債務超過が53.9%(345社)で最も多かった。

自己資本比率

倒産企業の経常利益率 平均▲2.5%

 経常利益率(売上高に占める経常利益の割合)は、2014年の倒産企業640社の平均が▲2.5%だった。生存企業が平均5.2%だったのと比べ、倒産企業の収益力は極めて低い。
経常利益率は、金融収支などを含めた総合的な収益性を反映するため、一般的に比率が高いほど良好といえる。倒産企業は、受注単価の引き下げなどで利益率が低下したほか、多額の有利子負債を抱えて金利負担が収益を圧迫したり、経常利益の減少などで比率が低下したとみられる。

経常利益率

倒産企業の当座比率 平均59.6%にとどまる

 2014年の倒産企業640社の当座比率は平均59.6%だった。当座比率は、企業の短期支払能力を判断する指標。短期間に支払い期限が到来する「流動負債」に対し、当座資産(短期間に現金化しやすい現金預金、受取手形、売掛金など)をどれだけ保有しているかを示す。比率が高いほど短期的な支払担保能力があるとされ、当座比率100%以上が安全性の目安とされる。
倒産企業の当座比率は、前々期68.2%→前期66.1%→最新期59.6%と推移し、支払能力の低下を如実に示した。生存企業の当座比率が平均76.1%だったのと比べて、倒産企業は資金繰りに余裕を欠いていることがわかる。


 2014年に倒産した640社の3期連続財務データをみると、倒産企業の多くが売上減少に加えて、過剰な債務を抱えていることがわかった。倒産企業は財務基盤が弱く、いったん経営不振に陥ると財務悪化が一気に進み、自力再建が難しいことをうかがわせた。
「中小企業金融円滑化法」が終了して間もなく2年になるが、金融機関が引き続きリスケ要請に柔軟に応じるなどの支援により、中小企業が下支えされている面が強い。
景気は上向いているが、財務内容が脆弱な中小企業も多いため、民需主導の自律的回復には、まだ時間が必要とみられる。

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