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最近5年間の全国新設法人動向(2009-2013年)

 2009年から2013年までの5年間に、全国で新しく設立された法人(新設法人)は、51万2,781社にのぼった。この5年間は、リーマン・ショックに端を発した世界同時不況、東日本大震災と経営環境の激変が相次いだ。しかし、アベノミクス効果による景況改善を背景にして全国的に新設法人が増勢し、商号でも将来の期待感を標榜するものが目立つなど、景況の立ち直りを反映した。

  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから、2009年から2013年の5年間に新しく設立された法人データを抽出し、分析した。

商号 将来の期待感を反映し「ネクスト」が増加

 5年間の新設法人の商号推移をみると、「アシスト」「ライズ」「アドバンス」などが多く、カタカナ商号が上位に並んだ。漢字商号では、「絆」「雅」「和」など一文字が多かった。
一方、「工業」「商事」「製作所」など業種や業態等を示す表記がある商号は、上位には見られず、ひらがな商号では「さくら」「ひまわり」「みらい」があって、企業イメージや理念が先行するタイプが好まれているようだ。
この5年間で特徴的だったのは、震災があった2011年の商号ランキングで「絆」が急増したこと。また英語で「力を貸す、手助けする」などを意味する「アシスト」が社会に貢献するという企業理念を象徴する形で断トツになったことも時流を反映した。さらに、景気回復が進む2012年、2013年には英語で「次」を意味する「ネクスト」の増加が目立ち、次世代、未来、期待のイメージから商号に多く使用され、震災からの復興と景況改善が影響しているとみられる。

過去5年の新設法人商号

都道府県別 4年連続増加は13都府県

 5年間の都道府県別では、4年連続で新設法人数が前年を上回ったのが東京、大阪、福岡など13都府県にのぼった。一方、4年連続で前年を下回ったところはなかった。
2013年と世界同時不況時の2009年を比較すると、増加率で最も比率が高かったのは福島の70.2%増(853→1,452社)だった。次いで、岩手62.7%増(395→643社)、宮城56.0%増(1,236→1,929社)と東北の震災被災3県が上位に顔を揃え、復興ぶりを反映した。
このほか増加率の上位には、沖縄46.4%増(1,029→1,507社)、佐賀40.1%増(346→485社)、熊本37.1%増(1,050→1,440社)、群馬25.1%増(1,047→1,310社)、宮崎23.6%増(553→684社)と九州勢が目立ち、2011年の九州新幹線鹿児島ルートの開通効果も一部影響していると考えられる。
これに対し、減少は高知の2.0%減(342→335社)、島根1.0%減(288→285社)、長野0.8%減(1,104→1,095社)の3県だった。
都道府県別では、2013年は43都道府県で新設法人数が前年を上回り、2009年との比較でも30都府県で2ケタ増になった。
このように、2009年以降はリーマン・ショックに端を発した世界同時不況、東日本大震災と立て続けに経済環境が激変したが、新設法人数をみる限り、アベノミクス効果もあって経済は安定と活気を取り戻していることがわかった。

岩手県、宮城県の新設法人

地区別 東北、関東、九州が4年連続増加

 地区別では、全国9地区のうち東北、関東、九州の3地区が4年連続で前年を上回った。
2013年と2009年を比較した増加率では、東北が44.2%増(3,759→5,424社)で断トツとなった。復興需要に加えて、支援に関わる非営利団体の設立などで増加ぶりが際立った。次いで、九州24.2%増(8,929→11,098社)、関東12.4%増(48,112→54,090社)、中部10.9%増(9,540→10,583社)、四国9.9%増(1,957→2,152社)、中国9.5%増(3,867→4,237社)、北陸9.0%増(1,430→1,560社)、近畿8.5%増(15,556→16,887社)、北海道5.8%増(3,819→4,043社)だった。

地区別新設法人 2013年と2009年の比較

業種別 医療,福祉事業が4年連続増加

 業種別において、新設法人数が4年連続で増加したのは、高齢化社会での有望業種とされる医療,福祉事業だけだった。2013年と2009年を比較した増加率は71.6%増(4,451→7,639社)と大幅な増加を示した。また、電気・ガス・熱供給・水道業の増加率も3770.2%増(47→1,819社)と約39倍に膨らみ、著しい増加をみせた。太陽光や風力、地熱など再生可能エネルギーによる発電を目的とした法人が一段と多く設立されたことによる。
この一方、4年連続で前年を下回ったのは、印刷・同関連業だった。2013年と2009年を比較した減少率は37.5%減(336→210社)と新設会社数が約4割減った。これは、インターネット普及による雑誌、書籍など紙媒体の低迷や、ペーパーレスの風潮、デジタル化や印刷機器の高性能化による内製化の進展などが影響しているとみられる。

産業別 サービス業他が4年連続増加

 産業別では、10産業のうちサービス業他だけが4年連続で前年を上回った。
2013年と2009年を比較した増加率では、トップは不動産業の43.9%増(7,371→10,612社)だった。アベノミクスによる景気回復期待や資金運用環境の改善を背景として、特に2013年に新設法人が多く設立された。
次に、農・林・漁・鉱業39.1%増(1,455→2,024社)、金融・保険業37.9%増(2,767→3,818社)、製造業29.1%増(5,832→7,532社)、サービス業他20.9%増(39,551→47,847社)、建設業10.7%増(10,024→11,098社)、情報通信業9.4%増(7,816→8,556社)、卸売業5.9%増(4,772→5,056社)、運輸業1.9%増(1,839→1,874社)の順だった。唯一、減少は小売業の24.9%減(15,542→11,657社)だった。

産業別新設法人 2013年と2009年の比較

全体推移 新設法人数は4年連続で前年を上回る

 最近5年間の新設法人数は、2009年は9万6,969社だったが、10年は9万9,780社(前年比2.8%増)、11年10万1,914社(同2.1%増)、12年10万4,044社(同2.0%増)、13年11万74社(同5.7%増)と推移した。経済再生を掲げるアベノミクス効果もあって、2013年は4年連続で前年を上回り、増加率も5年間で最高の5.7%に上昇した。

新設法人5年間の推移

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