• TSR速報

(株)サクライ

サクライのロゴ

サクライのロゴ

 (株)サクライ(江東区)は7月30日、東京地裁に破産を申請し同日、同地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には田川淳一弁護士(功記総合法律事務所、中央区日本橋人形町3-6-7)が選任された。
 負債総額は債権者558名に対して約73億円。

 1915年創業。製菓材料の卸売を手掛けていた。製菓に係る乳製品や油脂製品、フルーツ加工品を扱い、岩手県や千葉県、愛知県、宮城県には営業所を設置し、大手製菓メーカーや小売店向けに販路を構築。近年は問屋経由を縮小して直販の比率を高めることで、事業拡大を図っていた。2024年4月期は値上げの実施もあり、売上高約68億8900万円をあげた。

 しかし、以前より低収益が続いていたほか、無担保だった所有不動産に、2025年2月に金融機関より25億円の根抵当権が設定された。この間、当社の決算に関する疑念が生じたことなどから、信用が低下。一部金融機関の融資姿勢も厳しくなるなかで資金繰りが限界に達した。
 なお、当社公表の2024年4月期の負債総額は34億5000万円で、差異の原因に注目が集まっている。

※(株)サクライ(TSRコード:290060095、法人番号:5010401011697、江東区有明3-5-7、登記上:港区西新橋2-16-2、設立1950(昭和25)年11月、資本金8300万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

私立大学の経営、売上トップは(学)順天堂 赤字企業率5割に迫る、損益は地域格差が鮮明に

私立大学を経営する全国の543法人のうち、約半数の253法人が2024年決算で赤字だった。赤字企業率は46.5%にのぼり、前期(40.8%)から5.7ポイント上昇し、5割に迫った。

2

  • TSRデータインサイト

企業倒産、破産の割合が9割超で過去最大 ~ 背景に「手形減少」と「準則型私的整理」 ~

企業倒産のうち、破産の構成比が90.3%に達し、過去最大を記録した。民事再生法はわずか2.2%にとどまる。破産は、売上不振や財務内容が悪化し、再建が見通せない企業が選択する。なぜ今、破産の構成比が高まっているのか――。

3

  • TSRデータインサイト

2025年上半期 20床以上の病院倒産が急増 「病院・クリニック」倒産21件、5年連続で前年同期を上回る

病床20床以上の病院の経営が厳しさを増している。2025年上半期(1-6月)の病院・クリニックの倒産は21件(前年同期比16.6%増)だった。上半期では、コロナ禍の2020年を底に、2021年から5年連続で前年同期を上回り、1989年以降で最多の2009年同期の26件に次ぐ、2番目となった。

4

  • TSRデータインサイト

リフォーム・塗装工事の倒産が急増 ~ 点検商法などのトラブル多発 ~

リフォーム・塗装工事の倒産が急増している。2025年上半期(1-6月)の倒産は119件に達し、過去20年で最多だったリーマン・ショック後の2009年同期の111件を上回った。

5

  • TSRデータインサイト

ホテル業界 止まらない客室単価の値上げ インバウンド需要で高稼働・高単価が続く

インバウンド(訪日旅行客)需要に支えられ、ホテル業界は好調が続いている。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の2025年3月期の客室単価は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に前年同期を上回り、稼働率も前年同期並で高水準を維持している。

TOPへ