• TSR速報

(株)コンパル

※画像は実際の企業と関係はありません

※画像は実際の企業と関係はありません

百貨店を中心に「コンパルカウンター」を展開していた

 (株)コンパル(大阪市北区)は4月22日、大阪地裁に破産を申請し5月14日、破産開始決定を受けた。破産管財人には岡野紘司弁護士(弁護士法人御堂筋法律事務所、同市中央区南船場4-3-11)が選任された。
 負債総額は債権者135名に対して6億2823万円。

 1967年8月に創業。結婚式場の斡旋・仲介を中心に、無料対面相談、結婚情報誌の発行などを手掛けていた。1969年には北陸・東海以西エリアへの進出を目的に法人化。業界では名の通った老舗として、過去には全国の百貨店などを中心に100カ所以上の事業所(コンパルカウンター)を展開し、1997年7月期には売上高約23億8700万円をあげていた。
 しかし、近年は少子高齢化や晩婚化などの社会情勢・ライフスタイルの変化を受けて業況は低迷。さらに、コロナ禍では大勢の人が集う結婚式自体が大幅に減少、緊急事態宣言を受けてコンパルカウンターも臨時休業を余儀なくされるなど影響を受けた。コロナ禍の収束後も結婚適齢期人口の減少や婚姻率の低下などの構造要因から業績低迷に歯止めがかからず、2024年7月期には売上高が約1億2000万円にまで低下し、赤字計上から債務超過額が拡大していた。
 この間、金融機関に対して借入金の返済のリスケジュールを要請して凌いでいたものの、ここにきて利払いすら滞り、また社会保険料の滞納なども発生。資金繰り改善の見通しも立たないことから、今回の措置となった。

※(株)コンパル(TSRコード:570469333、法人番号:8120001064033、大阪市北区梅田1-1、設立1969(昭和44)年10月、資本金2000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

M&A総研の関わりに注目集まる資金流出トラブル ~ アドバイザリー契約と直前の解約 ~

東京商工リサーチは、M&Aトラブルの当事者であるトミス建設、マイスHD、両者の株式譲渡契約前にアドバイザリー契約を解約したM&A総合研究所(TSRコード: 697709230、千代田区)を取材した。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業、中高年の活用に活路 「早期・希望退職」は大企業の2.8%が実施

 「早期希望・退職」をこの3年間実施せず、この先1年以内の実施も検討していない企業は98.5%だった。人手不足が深刻化するなか、上場企業の「早期・希望退職」募集が増えているが、中小企業では社員活用の方法を探っているようだ。

3

  • TSRデータインサイト

【解説】秀和システムの法的整理、異変察知は「船井電機より前」

(株)秀和システム(TSRコード:292007680、東京都)への問い合せは、船井電機(株)(TSRコード:697425274、大阪府)の破産の前後から急増した。ところが、あるベテラン審査マンは「ERIが弾けた時からマークしていた」と耳打ちする。

4

  • TSRデータインサイト

1-6月の「訪問介護」倒産 2年連続で最多 ヘルパー不足と報酬改定で苦境が鮮明に

参議院選挙の争点の一つでもある介護業界の倒産が加速している。2025年上半期(1-6月)の「訪問介護」の倒産が45件(前年同期比12.5%増)に達し、2年連続で過去最多を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

2023年度「赤字法人率」 過去最小の64.7% 最小は佐賀県が60.9%、四国はワースト5位に3県入る

国税庁が4月に公表した「国税庁統計法人税表」によると、2023年度の赤字法人(欠損法人)は193万650社だった。普通法人(298万2,191社)の赤字法人率は64.73%で、年度集計に変更された2007年度以降では、2022年度の64.84%を下回り、最小を更新した。

TOPへ