エルエスエム(株)(TSR企業コード:571827985、法人番号:6120001072194、大阪市中央区安土町2-3-13、昭和63年10月、資本金4000万円、松田充泰社長)は2月5日、大阪地裁に破産を申請した。破産管財人には秋山洋弁護士(弁護士法人御堂筋法律事務所、同市中央区南船場4-3-11、電話06-6251-7266)が選任された。負債総額は61億5000万円。
運送管理システム等のパッケージ・受託ソフトウェア開発のほか、物流事業も手掛けていた。ロジスティクス全般の管理・運用・保守を中心に、大手コンビニチェーンなどに受注基盤を築いていたが、物流事業は採算が低調で、外部資金に依存した資金運営に陥っていた。
新規事業を立ち上げるなどして業績向上を図ったが、設備投資などで多額の資金需要が発生。このため、売上高の前倒し計上や一部借入金の簿外化などの不正会計に手を染めるかたちで対外信用を維持し、資金調達を行っていた。しかし、平成29年7月頃からこの不正会計が金融機関に知れ渡り、対外信用が失墜。同時期には関係先の要請もあり沖縄県内で開始していた新規事業を円滑に進めるため、同県に登記上本社を移転するなどで事態の打開に注力してきたが資金繰りが限界に達した。さらに代表者の体調不良などもあって事業継続を断念した。
翼システム(株)(TSR企業コード:292948280、法人番号:5010601022593、江東区亀戸6-21-8、設立昭和48年12月、資本金8000万円、道川研一社長)は2月6日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には斎藤淳一弁護士(さいとう法律事務所、港区西新橋1-21-8、電話03-3504-3651)が選任された。負債総額は約61億円だが、今後の債権調査により変動する可能性がある。
自動車部品検索システムの開発を主力として、全国の自動車部品販売業者や自動車整備工場、自動車関連業界に営業基盤を築いていた。また、子会社の旧:カーコンビニ倶楽部(株)を実質的に運営し、ピーク時の売上高は約564億9900万円をあげていた。
しかし、多額の負債を抱えていたことや、道川社長が脱税により逮捕起訴されるなど経営陣の不祥事なども重なり、信用は失墜していた。平成24年3月期の売上高は約1億5300万円にとどまり、25年末には実質的に事業を停止。29年10月25日に債権者より破産を申し立てられていた。
(株)ファイブフロッグス(TSR企業コード:403093104、法人番号:4180001105834、名古屋市中区栄2-2-23、設立平成24年6月、資本金100万円、田中慎也社長)は2月2日、名古屋地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には池田伸之弁護士(池田総合法律事務所、同市中区丸の内1-17-19、電話052-684-6290)が選任された。負債総額は約14億円。
平成23年6月創業。「MYCAFE」の名称で、会員制のコワーキングスペース事業(事務所、会議室などを共有しながら独立した仕事を行うオフィススペースの提供・レンタル事業)を主体に、店舗プロデュース事業なども手掛けていた。本社地のほか、25年7月に名古屋駅前店、同年12月に錦通店などをオープンし、29年5月期の売上高は約9億円をあげていた。
しかし、急激な店舗開設に伴う先行投資が負担となり、資金繰りは逼迫。ここにきて、同業者の台頭もあって業績は頭打ちとなり、先行きの見通しが立たず事業継続を断念した。
(株)SI管理(TSR企業コード:100002889、法人番号:2430001048299、 滝川市流通団地2-4-39、設立昭和29年2月、資本金1億円、代表清算人:丸山健氏)は2月15日、札幌地裁滝川支部から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約14億円。
昭和9年に創業し、建設業のほかガソリンスタンドの経営も手掛けていた。民間受注による建築工事を主力とし、林業、土木工事なども併営し、平成12年3月期にはピークとなる売上高約50億円を計上した。しかし、その後は工事量の減少から減収で推移していた。
こうしたなか、20年11月に当時滝川建設協会の会長を務めていた元社長が急死し、事業環境も悪化した。このため、明円工業(株)(TSR企業コード:100006256、法人番号:5430001048750、歌志内市)の支援により、(株)SASAKI(現:笹木産業(株)、TSR企業コード:032077122、法人番号:4430001062199、滝川市)へ24年12月、事業を移管し、当社は休業状態となっていた。
(株)ディー・エス・ワイ(旧:(株)吉田屋、TSR企業コード:580062597、法人番号: 2220001013480、加賀市山代温泉18-118、登記上:大阪市中央区伏見町3-2-4、設立昭和33年5月、資本金1000万円、代表清算人:池田佳史氏)は2月2日、大阪地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約13億円。
江戸時代末期に創業とされる老舗の温泉旅館「吉田屋山王閣」を経営。開湯1300年の歴史を有する北陸の名湯山代温泉の中でも最大クラスの源泉量を誇り、高台にある良好なロケーションや上質の露天風呂などが人気を博していた。さらに、バブル景気の追い風もあって平成3年4月期の売上高は約11億円を計上していた。
しかし、バブル崩壊以降の長引く景気低迷から業績は悪化の一途をたどり、赤字を散発するなど多額の債務超過に陥っていた。また、過去の莫大な設備投資による借入金も負担となり、資金繰りは逼迫していた。
このため、温泉旅館の経営を会社分割で27年8月に設立した(株)吉田屋(TSR企業コード:015601838、法人番号:8220001020496、加賀市)が承継。当社は28年4月、現商号に変更し29年4月30日、株主総会の決議により解散した。
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