(株)オー・エム・プランニング(TSR企業コード:295774126、渋谷区恵比寿1-24-15、設立昭和33年2月、資本金1000万円、岡田えりか社長、従業員10名)は8月4日、債権者から破産を申し立てられていたが、10月30日に東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には左近輝明弁護士(阿部法律事務所、千代田区平河町2-4-13、電話03-5275-3397)が選任された。負債総額は約80億円。
長らく、増倉建設(株)として不動産管理業を主体に営業していた。平成15年5月に岡田社長が就任、現商号に変更されるとともに経営が一新され、不動産事業に積極的に進出するようになった。都内の商業不動産の売買やリゾート施設の開発も行い、19年には北海道に大規模なリゾート施設を開発し、19年9月期には年商約150億7000万円をあげていた。
しかし、その後の不動産市況の急激な落ち込みによって、不動産取得で調達していた多額の借入金返済に窮するようになっていった。22年2月に北海道のリゾート施設は税金滞納などで差押が行われるなどして、債権者から破産を申し立てられ、今回の措置となった。
TH販売(株)(TSR企業コード:292144970、旧:(株)東急ホームズ、渋谷区道玄坂1-21-2、設立昭和57年9月、資本金4億円、代表清算人:田中辰明氏)は10月3日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約48億7700万円(平成25年3月期決算時点)。
昭和57年9月、東急不動産(株)(TSR企業コード:291100759、渋谷区)の100%出資子会社として設立。戸建て注文住宅の建築販売を行っていた。
ピーク時の平成20年3月期には売上高404億7239万円を計上していた。しかし、建売事業の受注半減、値崩れの影響などにより同20年3月期から同23年3月期まで4期連続で最終赤字計上、財務面でも同21年3月期以降、債務超過が続いていた。このため同23年8月、主力事業を会社分割により設立した新:(株)東急ホームズ(TSR企業コード:322306809、渋谷区)に移管し事業規模を縮小。社名を現商号に変更し清算を進め、8月31日の株主総会で解散を決議、法的手続きを申請した。なお、主力の戸建て注文住宅建築については、新:(株)東急ホームズが業務を引き継いでいる。
ラップマスターエスエフティ(株)(TSR企業コード:292330057、千代田区神田多町2-2-22、設立昭和63年4月、資本金2億8725万1952円、髙工弘社長)は10月21日、東京地裁に破産を申請した。申請代理人は島村和也弁護士(島村法律会計事務所、中央区八重洲2-6-5、電話03-6802-7895)。負債総額は約42億7000万円。
シリコンウエハー自動研磨装置、ウエハー自動測定装置、精密平面(裏面)装置ほか半導体製造装置の開発販売を展開していた。
船橋事業所を設置して、ピークとなる平成17年3月期に売上高27億4601万円を計上した。しかし、半導体不況や民間設備投資の低迷から、同22年3月期の売上高が9733万円に落ち込み、20億4931万円の赤字を計上した。その間も慢性的な赤字経営が続いていたため同23年3月、全事業を譲渡して営業活動を停止していた。債務超過が27億1193万円に膨らみ資金難の状態が続いていたうえ、その後、同24年11月には返品された商品について経理に正しく反映されていなかったとする不適切会計の疑いにより、親会社の明治機械(株)(TSR企業コード:291018858、千代田区、東証2部)が第三者委員会を設置するなど不祥事も発生した。
このため9月9日開催の取締役会で破産を申請することを決議していた。
(株)日本総合マネージメント(TSR企業コード:293941033、武蔵野市吉祥寺南町2-20-8、設立平成7年2月、資本金8000万円、内田嗣治社長、従業員40名)は10月4日、東京地裁に破産を申請した。申請代理人は高橋裕次郎弁護士(弁護士法人高橋裕次郎法律事務所、千代田区麹町6-2、電話03-3230-1077)。負債総額は約37億8300万円。
平成1年2月の創業で、当初は未入金債権の請求代行など債権回収業を行っていた。
その後、都内の不動産物件を取得し不動産賃貸業務に乗り出すなど業態を変更した。このほかグループ企業を設立し、エステ店の経営や千葉県内のリゾート施設の運営、化粧品の販売などに乗り出し事業を拡大させ、平成21年12月期には売上高9億5234万円をあげていた。
しかし、不動産投資に伴う借入金の負担が重荷となっていたうえ、リーマン・ショック以降の不動産市況悪化による賃料収入の低下や、震災以降の個人顧客の減少などから平成23年12月期は売上高が6億1175万円に減少、2期連続となる赤字決算となっていた。
平成23年1月には東京都より所有不動産に差押さえを受けるなど資金難も表面化。その後、化粧品事業での新商品投入などによる業績回復に取り組んでいたものの奏功せず、同24年夏までに実質的に事業を停止していた。
新光石油(株)(TSR企業コード:890031320、大分市金池町4-9-32、設立昭和42年6月、資本金7300万円、江藤郁社長、従業員63名)は10月9日、大分地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には古庄玄知弁護士(弁護士法人古庄総合法律事務所、同市中島西3-2-26、電話097-538-2123)が選任された。負債総額は34億円。
石油製品の小売業者で、大分市内中心にガソリンスタンドを経営していた。ピーク時には15店舗を抱えて、平成7年3月期には約49億円の売上を計上、県内斯業界上位の業容を築いていた。この間、昭和43年8月、不動産デベロッパーの新光殖産(株)(TSR企業コード:890046247、同所)など関連会社を次々と設立し新光グループとして規模を拡大したが、不採算事業も多く抱え徐々にグループとしての体力を消耗していった。平成19年3月には、グループ総帥だった創業者が死去し、求心力が低下したなか、同20年4月には新光殖産が特別清算を申請したことで、同社に対し当社は約6億円の不良債権が発生した。さらに本業も競合激化や施設老朽化などで競争力が低下し、店舗数も11カ所に減少、最近は年間約30億円の売上推移となり、赤字も計上していた。過大な債務負担が収益性を圧迫され。抜本的な改善ができず、今夏には資金不足から全店で臨時休業した。
関連サービス
人気記事ランキング


2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ
2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。
2

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭
街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。
3

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務
代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。
4

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査
全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。
5

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃
2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。