丸和商事(株)(掛川市駅前1-9、設立昭和31年2月、資本金10億105万円、藤澤勝社長、従業員85名)は、4月8日東京地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には池田靖弁護士(三宅・今井・池田法律事務所、東京都新宿区新宿1-8-5新宿御苑室町ビル5階、電話03-3356-5251)が選任された。負債総額は約336億円(平成22年3月末時点)。
同社は、消費者金融業者として関東・中部地区に「ニコニコクレジット」7店舗、また、女性スタッフにより運営される女性専用「アイリス」、ネットキャッシング「e―NIKO」等を経営し、ピーク時の平成18年3月期には営業収入152億9114万円を計上した。
しかし、時を同じくして旧貸金業法第43条のみなし弁済要件を厳格に解する平成18年1月の最高裁判決を契機として、利息制限法所定利率を超過した利息の返還を求める請求が増加したことから、収益が大きく圧迫された。その後も店舗閉鎖及び貸出基準の見直し等を行ってきたが減収推移に歯止めがかからず、同22年3月期では営業収入52億7754万円まで落ち込んだ。事業環境の急激な変化に対応するため、様々な施策を講じたものの、営業貸付債権の減少に伴う利息収入の減少や超過利息の返還要求のさらなる増加により、先行きの事業継続に著しい支障が生じることが予想されることから法的手続きを申請した。
(社)群馬県林業公社(前橋市大友町1-18-7、設立昭和41年10月、市村良平理事長、従業員61名)は、4月15日前橋地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は石原栄一弁護士(石原・関法律事務所、前橋市大手町3-4-16、電話027-235-2040)他。負債総額は約168億1200万円(平成22年3月期決算時点)。
戦後の拡大造林政策の一環として、森林資源の充実を図るため政府の指導の下に設立し、伐採した木の売却益を土地所有者と分け合う「分収方式」による造林を担ってきた。昭和55年には調査・測量・設計などの受託事業も行うようになり、現在の形となった。
当初は、木材価格状況から造林された人工材が伐期齢に達した際、再造林可能な十分な収益を見込んでいたが、昭和55年をピークに国産木材価格が低下傾向で推移した。このため、造林・保育に関わる事業費の多くを借入金に依存することになり、利払いも経営圧迫の大きな要因となった。経営改善のため、平成9年、14年、16年と経営改善計画を策定してきたが限界があることが明らかとなり、抜本的な見直しを迫られた。
こうした状況ながら、木材価格の大幅な下落により分収契約が満期になり伐採しても森林造成に要した借入金の返済が極めて困難な状況となっていた。また、更なる県民負担の増大や森林の育成にも影響の出ることが懸念されることから、解散に向けての抜本的な経営改革を進めることで問題解決を図るべく今回の措置となった。
ニイウスメディカルシステム(株)(中央区日本橋茅場町3-1-7、設立平成13年12月、代表清算人:今村修二氏)は、3月24日東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は104億9500万円。
同社は、東証1部に上場していたニイウスコー(株)の100%子会社で、ニイウスグループの医療事業を統括する持ち株会社として機能していた。その後、事業会社として医療情報システムの販売を主軸に展開し、平成18年6月期は年商約21億8800万円を計上していた。
しかし、平成19年6月期は一転して売上高を約15億6200万円に落とし、多額の特別損失計上から145億円の赤字に転落、77億4400万円の債務超過に陥っていた。こうしたなか、ニイウスコーにおいて医療業界向け医療サービス・ビジネスから撤退することが決定。さらに、同20年4月にニイウスコーが東京地裁へ民事再生法の適用を申請、ニイウスコーは事業譲渡を終えた後、同22年9月に解散したため、同社も同22年10月の株主総会の決議により解散していた。
りんくう国際物流(株)(泉佐野市りんくう往来北2-21、設立平成5年2月、資本金50億8800万円、中司文典社長、従業員2名)は、4月22日大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。
監督委員には、阿多博文弁護士(弁護士法人興和法律事務所、大阪市中央区高麗橋3-1-14高麗橋山本ビル、電話06-4707-6206)が選任された。負債総額は92億円。
同社は、関西国際空港の対岸に位置する「りんくう国際物流センター」内に事務所を構え、物流業者に貨物の仕分けスペースを提供し賃料収入を得るほか、附随する駐車場管理を手がけていた。しかし、同業他社との競合が激化し賃料収入が低迷したことから、筆頭株主である大阪府の第三セクター(株)大阪府都市開発が、府の要請に基づき平成13年から当社保有の施設を一括借り上げし賃貸収入を安定させるとする経営改善計画を策定した。
これに伴い、金融債務を長期弁済とするなど再建支援協定を取引金融機関と締結していたが、平成23年3月末でその協定期限が切れ、当社に対し22.1%を出資している大阪府も存続を認め難いとの見解から今回の措置となった。
(株)宮津製作所(邑楽郡大泉町仙石3-24-1、登記上:東京都千代田区丸の内1-7-12サピアタワー14階、設立昭和42年4月、資本金15億1447万円、代表清算人:宮村哲人氏)は、4月12日東京地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約81億円。
同社は、国内自動車メーカー各社をはじめ、海外自動車メーカー各社との取引で自動車ボディー用プレス金型製造を手がけ、(株)オギハラ(群馬県太田市)、(株)富士テクニカ(静岡県駿東郡)と並んで、この分野では有力メーカーだった。
ピーク時の平成20年2月期には年商157億3172万円を計上していたが、海外金型メーカーとの激しい価格競争とリーマン・ショック後は大幅な受注減となり厳しい経営環境に置かれていた。
こうしたなか、(株)富士テクニカとの経営統合が企業再生支援機構の主導で同22年9月にまとめられ、同22年12月に事業譲渡が実行した後、同23年3月の株主総会決議で解散していた。
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