U.F.O.(株)(大阪市中央区心斎橋筋2-7-18プライムスクエア心斎橋11F、設立平成14年2月、資本金8880万円、谷絹子社長、従業員45名)は、3月26日大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員は森本宏弁護士(北浜法律事務所・外国法共同事務所、大阪市中央区北浜1-8-16大阪証券取引所ビル)。負債総額は約368億円。
同社は、平成14年4月に解散したユー・エフ・オー(株)(旧:ファーストトレーディング)の事業を継承し設立された会社で、婦人服・子供服の輸入販売を主業務としていた。中国に設立した現地法人などへ材料を支給し、日本・米国・欧州の各ブランドのOEM生産(相手先ブランドを利用した製造)を現地法人へ委託、日本・米国・欧州へ販売するビジネスモデルを構築していた。国内外に複数のグループ会社を形成し、中国の現地工場では縫製から貿易まで一貫した体制を確立するなど、最近は中国への投資を加速させていた。谷社長は中国ビジネスの成功者としてビジネス書を出版するなど知名度を有し、中国において独自の営業地盤を形成。設立以降順調に業容を拡大し、平成16年7月期の年商293億円が、同21年7月期には年商895億円にまで伸張していた。
しかし、業容拡大に伴って外部資金への依存が高まる中、採算性は徐々に低下。借入金の一部の返済が滞る状況に陥り、平成20年冬には主力金融機関を対象にバンクミーティングを開催し返済条件変更を要請、その後複数回にわたり再建に向けた協議を進めていた。こうしたなか、同22年1月上旬、取引金融機関の1行が同社に対して破産を申請し、その後、裁判所の審尋が行われていた。
GFS(株)(大阪市中央区心斎橋筋2-7-18、設立平成2年2月、資本金1000万円、谷誠代表清算人)は、1月7日金融機関より破産を申し立てられ、3月26日大阪地裁から破産手続開始決定が下った。破産管財人は森本宏弁護士(北浜法律事務所・外国法共同事業、大阪市中央区北浜1-8-16大阪証券取引所ビル、電話06-6202-9523)。負債総額は約159億円。
同社は、3月26日に民事再生法の適用を申請したU.F.O.(株)の関連会社で、婦人服や高齢者向けの衣料品販売を主業務とし、国内の大手小売店を主体に営業地盤を形成していた。U.F.O.(株)の業容拡大に伴い、平成15年7月期の年商約63億円が、同19年7月期には約148億円にまで伸張した。
しかし、関連会社のU.F.O.(株)が、金融機関への返済が滞る状態に陥ったことで、複数回にわたって再建に向けた協議を行い、同社は平成21年7月31日に株主総会の決議を経て解散した。その後、U.F.O.(株)の再建計画がまとまらず、同22年1月7日に金融機関からU.F.O.(株)と共に破産を申し立てられていた。
コイトエンタープライズ(株)(港区高輪4-8-3、設立昭和61年3月、資本金5000万円、井上敦代表清算人)は、2月23日開催の株主総会の決議により2月28日解散し、3月15日東京地裁に特別清算を申請した。負債総額は約146億円。
同社は(株)小糸製作所(港区、東証1部)の連結子会社で、金融商品の運用業務のほか損害保険代理店業務などを行っていた。しかし、平成17年1月および3月に取得したKPC債(1月[額面:30億円、償還期限:平成22年1月29日]、3月[額面:65億円、償還期限:平成23年3月31日])が、平成21年10月8日以降になって突如、投資顧問会社から償還不能と伝えられた。
また、前述の投資顧問会社に一任していた「コイトエンタープライズ特定金銭信託」(元本:16億円、信託設定日:平成4年2月27日)も、運用方針に違反してリスクの高い金融商品で運用された結果、同商品は破綻し元本のほとんどが毀損していることが判明した。
これにより多額の損失を被ったため、再発防止策として金融商品の運用を(株)小糸製作所で一律に統括管理することを計画し、平成22年1月27日開催の(株)小糸製作所の取締役会で同社を解散させ、特別清算を申請することを決定していた。なお同日、(株)小糸製作所は、債券が償還されない見込みから平成22年3月期に貸倒引当金121億円を特別損失として計上することをリリースした。
栄光開発(株)(さいたま市大宮区桜木町2-2-5松沢会計ビル5F、設立昭和48年3月、資本金2000万円、松澤正義清算人)と(株)松澤計算センター(さいたま市大宮区桜木町2-2-5松沢会計ビル、設立昭和59年8月、資本金1000万円、松澤正義清算人)は、2月24日に東京地裁から破産手続開始決定を受けた。破産管財人には大井法子弁護士(虎ノ門総合法律事務所、港区虎ノ門5-13-1虎ノ門40MTビル、電話03-3431-8793)が選任された。負債総額は栄光開発(株)が約122億8000万円、(株)松澤計算センターが約5億3000万円。
栄光開発(株)は不動産売買会社。バブル期に大宮駅周辺の物件売買を積極的に進め、平成3年2月期には売上高が103億8700万円に達していた。しかしバブル崩壊後は急速に業況が悪化し売上高も激減、数億円にのぼる赤字決算が続いていた。さらに土地取得に伴う多額の金融債務もあって資金繰りは逼迫、同14年9月16日に株主総会の決議により解散していた。
また(株)松澤計算センターは、会計伝票の作成集計業務を主に行っていたが、栄光開発(株)の業況悪化に連鎖する形で事業継続が困難となり、平成14年12月3日に商法第406条ノ3第1項(株式会社の休眠会社整理)の規定により解散していた。
(株)エイペックス(府中市日新町1-2-6、設立平成12年5月、資本金15億1340万円、水谷智社長、従業員14名)は、3月29日東京地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には永島正春弁護士(永島・鍵尾法律事務所、千代田区丸の内3-3-1、電話03-3211-1791)が選任された。負債総額は74億2300万円。
同社は、国内外のデバイスメーカーなどに中古半導体製造装置の売買や技術サービスの提供などを行い、平成16年6月に名証セントレックスに上場、同18年10月に日本エイム(株)と株式移転による共同持株会社の設立に伴って同19年3月に上場廃止していた。その後、株式移転によりユナイテッド・テクノロジー・ホールディングス(株)(現:UTホールディングス(株)、品川区、JASDAQ上場)傘下として展開、同21年3月期には79億4500万円を計上していた。しかし、リーマンショックを発端とする世界同時不況により半導体業界全体の設備投資需要が大きく落ち込み、売掛金の回収難が発生、同期は約6億4900万円の当期損失を計上していた。
こうしたなか、今期に入っても資金繰りが改善できず、平成22年3月末以降の支払の目処が立たないことから今回の措置となった。なお、UTホールディングスは同21年11月にエイペックスの全株式を水谷代表が設立した(株)八徳(世田谷区)に譲渡している。
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