AIの脅威が迫る「デザイン業」、上半期の倒産が過去最多 ~ 前年同期比1.9倍、住宅業界の変化も影響 ~
デザイナーの力量を問われる「デザイン業」で倒産(負債1千万円以上)が過去最多を記録した。2026年度上半期(4-9月)の倒産は前年度同期の1.9倍の41件に急増。
1989年以降、初めて40件を超えた。生成AIの活用などで、クライアントの内製化がさらに進むと、倒産激増も懸念される。
受注基盤への構造変化が背景にあるだけに、年度(4-3月)最多だった2011年度(82件)の更新も視野に入る。
小・零細企業が大半
2026年度上半期の「デザイン業」の倒産は41件(前年同期比86.3%増)だった。2025年度同期は22件のため、2026年度上半期の急増が際立つ。
41件の内訳は、負債1億円以上1件(前年同期±0件)に対し、1千万円以上5千万円未満が34件(同19件)と8割を超えた。従業員数も5人未満が39件で、大半が小・零細規模が占めている。
これまでは、雑誌などの紙媒体が中心のデザイン会社が、クライアントのデジタルシフトで受注不振に陥るケースが多かった。
2026年度上半期は、住宅内装や家具などのインテリアデザインを主に手掛ける企業が、負債額上位7社のうち5社を占めた。
2026年度上半期はハウスメーカーの倒産が115件(前年同期比88.5%増)と急増している。住宅大手が地方の戸建事業から撤退する動きもあり、住宅業界の潮目が変わるなか、インテリアデザインが煽りを受けている。

生成AIやノーコードなどの普及で、内容次第ではデザイン関連でも短時間・低コスト化が可能となり、これまで外注していたデザインの一部を内製化する企業も増えてきた。実際、顧客の内製化で受注不振に陥り、倒産に追い込まれたデザイン会社もある。また、生成AIなど先端技術の台頭で経営意欲が低下し、事業継続を断念したケースも発生しているようだ。
クライアントのニーズが変化するなかで、革新的な業務効率化ツールの急速な普及がデザイン業界を取り巻く環境に変化を巻き起こしている。関係者は「業界としてもAIとの付き合い方を模索している段階だ」と話す。
マーケットの変化を受け入れながら、新たな立ち位置を模索するデザイン会社の舵取りに当面、目が離せない。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年10月30日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)