「ハウスメーカー」倒産 前年の1.8倍に急増 価格上昇で購入可能額とのギャップが拡大
~ 2026年1-10月の「ハウスメーカー」倒産動向 ~
地価や建築資材の高騰、職人不足、住宅ローン金利上昇など、ハウスメーカー(木造建築工事業)を取り巻く環境が厳しさを増している。2026年1-10月の倒産(負債1,000万円以上)は181件で、前年同期の101件から1.8倍と急増している。このペースをたどると、2026年は14年ぶりに200件を超える勢いだ。
7月に民事再生法の適用を申請した中堅のアエラホーム(株)(千代田区)は、工期遅れに加え、ナフサ不足による資材調達の遅れも業績悪化に拍車を掛けた。同社の場合、スポンサーの支援で新会社へ事業を譲渡し、新築請負契約への影響はないという。こうした契約者保護も今後の課題になるだろう。
現在のハウスメーカーの倒産は、小規模メーカーを中心にしている。ただ、負債5億円以上10億円未満が10件(前年同期4件)、同10億円以上は3件(同1件)と、物価高や人件費上昇の影響が広がり、中堅規模のメーカーの倒産も散発している。
原因別は、最多の販売不振が129件(構成比71.2%)、既往のシワ寄せ(赤字累積)が33件(同18.2%)と、業績不振が約9割を占める。
国土交通省の不動産価格指数(住宅)によると、戸建住宅の価格は2010年を100とした場合、2025年12月は121.9と2割強上昇した。住宅金融支援機構の長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の借入金利(最低)は、2023年4月1.760%が、2026年11月は3.810%と2倍以上も上昇した。
毎月の返済額(ボーナス増加分無し)10万円、返済期間35年とした場合、単純計算すると住宅の購入可能価格は2023年4月はおおよそ3,100万円だったが、2026年11月は2,300万円に減少する。
上昇する住宅価格と購入可能額とのギャップ拡大の狭間で、競争力の弱いハウスメーカーの淘汰が加速している。
※本調査は、日本産業分類(細分類)の「木造建築工事業」を抽出し、1-10月推移の倒産件数を集計、分析した。

■原因別:最多は販売不振の129件(前年同期比95.4%増、構成比71.2%)。次いで、赤字累積の既往のシワ寄せ33件(同57.1%増、同18.2%)、他社倒産の余波7件(同133.3%増、同3.8%)の順。
■負債額別:最多は1千万円以上5千万円未満が91件(前年同期比193.5%増、構成比50.2%)。以下、5千万円以上1億円未満が42件(同75.0%増、同23.2%)、1億円以上5億円未満が35件(同14.6%減、19.3%)、5億円以上10億円未満が10件(同150.0%増、同5.5%)、10億円以上が3件(同200.0%増、同1.6%)。
■都道府県別:最多が大阪府の18件(前年同期比125.0%増)、兵庫県の15件(同50.0%増)、東京都の12件(同200.0%増)、福岡県(前年同期ゼロ)と愛知県(前年同期比50.0%増)が各9件、神奈川県の8件(同300.0%増)。地価高騰が続く都市部で多発していることがわかる。