防水工事業の倒産が高水準 ~ 相次ぐ大雨被害、復旧に支障も ~
2026年1-9月の「建設業」倒産は1,540件(前年同期比2.1%増)を数える。このまま推移すると、2026年(1-12月)は2013年の2,421件以来、13年ぶりの高水準となる。
特に増えているのが「防水工事業」だ。1-9月の倒産は46件に達する。これは2008年同期(48件)に次ぐ、18年ぶりの高水準で、2026年は2008年(56件)を抜き、20年間で最多の可能性も出てきた。
ピラミッド構造のなかで
2026年に倒産した防水工事業の46件を分析すると、原因別では、売上不振が32件(構成比69.5%)と7割を占め、赤字累積が7件(同15.2%)で続き、業績不振が大半。
規模別では、資本金1,000万円未満と個人企業他が39件(構成比84.7%)。
従業員数別では10人未満が45件(構成比97.8%)と、小・零細規模を中心だ。
2026年5月、都内の防水工事業者が破産開始決定を受けた。
本社の入口に置かれたヘルメットには、社名や現場名のシールが貼られていた。現場名を調べると大手デベロッパーが手掛ける大規模再開発の高層ビル建設プロジェクトが浮かび上がる。大手ゼネコンが元請だ。建設業界は典型的なピラミッド構造だ。下請け構造の中に組み込まれると、小・零細企業が採算を確保するのは容易でない。

ハウスメーカー倒産急増の影響もか
ことしは木造建築工事業(ハウスメーカー)の倒産急増も目立つ。2025年は122件だったが、ことしは7月までで前年(122件)を抜き、1-9月は168件に達した。
防水工事は戸建て住宅でも不可欠だ。住宅着工の落ち込み、防水工事業者の倒産増に影響している可能性もある。
駅や地下街などの漏水では、ビニールやバケツで対処されるシーンを目にする機会が増えた。足もとでは集中豪雨の被害も相次いでいる。
防水工事業の倒産が増え続けると、台風後などの緊急時にすぐに対応可能な業者を手配できない恐れもある。すでに一部地域では顕在化している。
日常生活に支障が出ることが当たり前の時代になる前に、適正単価について理解を深めることも重要だ。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年11月2日号掲載「取材の周辺」を再編集)