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紙の手形・小切手の交換廃止まで、あと1年 手形交換高は過去最低でも、でんさい額の1.4倍

~ 2025年「手形・でんさい」動向調査 ~
 紙の手形・小切手による決済が2027年3月末で終了する。約束手形は過小資本の中小企業が多い日本で、資金繰りを助ける信用創造に大いに貢献し、高度経済成長を支えてきた。
 一方で、印紙税の負担や保管コスト、紛失リスクなどのデメリットもあり、大手を中心に決済での利用をやめる企業が増加し、手形交換高は急速に減少。2025年の手形交換高は69兆249億円(前年比14.7%減)と、ピークだった1990年の4,797兆2,906億円のわずか1.4%にまで縮小した。


 2013年2月、紙の手形・小切手に代わる新たな決済手段として、電子記録債権(でんさい)のサービスが始まった。政府、全銀協などの金融機関、商工会議所などが推進するが、2025年のでんさい額(発生記録請求金額)は49兆4,025億円(前年比13.1%増)にとどまっている。
 手形交換高は今でも紙がでんさい額の1.4倍あり、多くの企業が紙の手形、小切手を利用している。2027年3月の手形・小切手の交換廃止に向け、金融機関は手形・小切手帳の発行終了などに動き出している。


 手形の決済サイトは、過去には“台風手形”と呼ばれる210日の長期サイトの手形もあった。長らく最長120日サイトが一般的だったが、2024年11月の下請法(現:取適法)改正で、約束手形の支払期日は原則として振出日から60日以内に短縮し、支払いサイトが60日を超える約束手形や電子記録債権の交付、一括決済方式による支払は行政指導の対象になっている。
 なお、2025年12月のでんさいネット登録者数は55万6,977社(前年比8.4%増)、でんさい額は49兆4,025億円(同13.1%増)で、ともに過去最高を更新した。


 でんさいは、手形に比べて印紙代などのコスト削減や事務負荷の軽減、紛失リスクの低減などのメリットがある。その一方で、従来の商習慣や電子化への対応遅れ、ITリテラシーなどの課題があり、でんさいやインターネットバンキングへの移行を躊躇する企業も少なくない。
 だが、2027年3月末の紙の手形・小切手の廃止まで1年を切った。待ったなしだ。慣れ親しんだ手形・小切手から、でんさいへの切り替えは容易でない。金融機関は顧客への周知と同時に、円滑な資金繰りに向けた支援が重要になっている。

※本調査は、一般社団法人全国銀行協会の全国手形交換高・(1960年~)と、でんさいネット請求等取扱高(2013年2月~)を基に分析した。「でんさいネット」は、全国銀行協会が設立した電子債権記録機関「株式会社全銀電子債権ネットワーク」の通称で、「でんさい」は同社の登録商標。



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