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「設立10年未満」の企業 倒産の3割を占める 販売不振、放漫経営が8割超、課題が浮き彫りに

~2025年 「設立10年未満倒産」調査 ~
 設立10年未満の企業の倒産がじわじわ増えてきた。2025年1-10月の企業倒産は8,594件(前年同期比3.2%増)で、このうち個人企業を除く、7,162件のうち、設立10年未満は2,086件(構成比29.1%)だった。10年前の2016年の構成比22.7%から6.4ポイント上昇した。
 2014年6月、政府は産業の新陳代謝とベンチャーの加速を目標に掲げた「アベノミクス」3本の矢の一つのうち、民間の力を引き出す成長戦略として、開業率を5%から欧米並みの10%に倍増する目標を打ち出した。日本の稼ぐ力を取り戻す企業支援プロジェクトだったが、事業計画や資金計画に精緻さを欠く企業も少なくない。
 
 全倒産に占める設立10年未満の構成比は29.1%で、10年間で6.4ポイント上昇した。
 原因別では、最多が販売不振の1,467件(構成比70.3%)だった。次いで、放漫経営が230件(同11.0%)、他社倒産の余波154件(同7.3%)、赤字累積105件(同5.0%)が続く。
 設立10年未満は、事業基盤がぜい弱で競争力も弱い企業が多い。加えて、「事業上の失敗」を含む放漫経営の構成比が11.0%で、全倒産の4.9%の2倍以上に達するのが特徴だ。経営者の経験不足や見通しの甘さから倒産に至るケースが多いことを裏付けた格好となった。
 産業別では、設立10年未満の倒産が占める割合が高いのは農・林・漁・鉱業やサービス業他などが目立った。創業支援を背景に、小資本でも開業可能な飲食店などのサービス業他が多い一方、初期投資の負担が重い製造業などと差が生じている。
 最低資本金制度の廃止で、資本金1円でも法人設立が可能になった。だが、資産背景や信用力が乏しい場合、取引や融資判断において不利になるケースも多く、資金と経営の両面からの支援の必要があることが浮き彫りになった。
※本調査は、2025年1-10月の全国企業倒産8,594件のうち、個人企業を除く7,162件を対象に、法人設立から設立10年未満と全倒産を比較、分析した。


【業歴区分別】 設立10年未満の倒産が約3割 
 2025年は「10年以上50年未満」の構成比が59.2%で、2016年の68.1%から8.9ポイント減少した。一方、「10年未満」は2025年が29.1%で、2016年の22.7%から6.4ポイント上昇した。
 起業促進の取り組みもあり、新設法人数が増加しているが、設立から10年未満の業歴が浅い企業が倒産する割合が高まっている。
 また、「50年以上」も過去最高の11.6%に達し、コロナ禍を経た2022年以降の割合が拡大している。成功体験に固執し、時代の変化についていけない企業の淘汰が進んでいるとみられる。



【原因別】 設立10年未満は放漫経営が1割超
 原因別は、設立10年未満では「事業上の失敗」などを含む放漫経営が230社で、1割超(構成比11.0%)だった。倒産全体では構成比が4.9%にとどまり、設立10年未満が6.1ポイント上回った。
 不況型倒産「既往のしわ寄せ(赤字累積)+販売不振+売掛金等回収難」の構成比は、設立10年未満が76.0%だったが、倒産全体では84.2%と、8.2ポイントの差が生じた。


【地区別】 設立10年未満は関東が唯一、3割超
 地区別は、最高が関東の構成比32.1%(2,986社中、961社)で、唯一、30%台に乗せた。
 関東は、東京など首都圏で優秀な人材の確保や最新技術や情報へのアクセスの良さなどから起業が相次ぐが、同業他社も多く競争環境も激しい。そのため、事業基盤を確立できずに、市場から撤退を余儀なくされる企業も多い。
 次いで、九州の29.49%(668社中、197社)、近畿の29.48%(1,282社中、378社)だった。
 一方、構成比の最低は、北陸の20.1%(139社中、28社)だった。



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