• TSRデータインサイト

2025年の「ハンバーガー店」倒産が年間最多を更新 2,000円超の高級品と手頃な大手チェーン店の二極化が進行

~ 2025年「ハンバーガー店」倒産状況 ~


 1,000円の壁を突き抜け、2,000円超えも誕生したハンバーガー。大手ハンバーガーチェーンは、手頃で季節感のある商品を相次いで展開し、二極化が進行している。そのはざ間で苦境に陥っているのが、小規模のハンバーガー店だ。2025年のハンバーガー店の倒産は10月までに8件発生、2009年に統計を始めて以来、これまで最多だった2014年の年間6件をすでに上回り、10月で年間記録を更新した。

 2025年1-10月の「ハンバーガー店」の倒産(負債1,000万円以上)は8件で、2009年の統計開始から年間最多を記録した。これまで2014年の6件が年間最多だった。
 倒産した8件のうち、7件が販売不振で、6件が従業員5名未満の小規模店だった。8件すべてが消滅型の破産で、再建を諦めているのも特徴だ。数百円から2,000円超まで、多様な商品で“値ごろ感“も揺れるなか、美味しさと価格の満足度を目指すハンバーガー店の生き残りをかけた熾烈な競争が繰り広げられている。
 また、8件の本社所在地は、東京都が4件で最も多く、大阪府が2件と都市部に集中している。

  2010年頃まで100円のワンコインで食べられるハンバーガーもあった。その後、シンプルで値ごろ感のあるハンバーガーと、ブランド牛やこだわりの野菜、チーズなどの具材を乗せた高級ハンバーガーも登場。二極化が一気に加速。また、人件費や食材の価格高騰で製造コストも高まり、販売価格の上昇が始まった。

 ブランド力や商品力の高い人気ハンバーガー店は、値上げでも集客が落ち込んでいない。一方、徹底したコスト管理と大量製造の強みを生かす大手チェーン店も価格競争力を生かしている。
 この両者の間で、これまで地道に独自の地盤を築いてきた小規模ハンバーガー店が板挟みになり、値上げしても高級店にかなわず、大手チェーンとは価格競争で勝ち目がない。ハンバーガー以外の飲食店とも顧客の奪い合いに敗れた小規模のハンバーガー店の息切れ倒産が目立つ。

 デフレ時代の象徴だったハンバーガーだが、2,000円を超える高級店の出現で急速にハンバーガーのインフレ化も進んでいる。実質賃金が9カ月連続でマイナスの時代、消費者の財布の紐は固く、一部商品を値下げした牛丼チェーンなどとも競合する。ハンバーガーの価格上昇を避けられないなか、中小・零細規模のハンバーガー店の苦難は当分続きそうだ。

※ 本調査は、日本産業分類(小分類)の「ハンバーガー店」を抽出し、ハンバーガー店倒産の統計を開始した2009年から2025年10月までの倒産(負債1,000万円以上)を集計、分析した。

ハンバーガー店の倒産 年次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

2

  • TSRデータインサイト

倒産と無縁の税理士業界に異変、2026年上半期は4件発生 粉飾は詐欺罪も、コンプラ違反と健康問題がリスクに

過去、税理士事務所の倒産は半年で、概ね1~2件にとどまっていた。景気状況に相関せず、倒産と無縁の税理士業界だったが、2026年上半期(1-6月)はすでに4件発生した。

3

  • TSRデータインサイト

エブリライブの元従業員、「突然の解雇」に困惑

6月初旬から連絡が取りにくくなっているライブ配信のエブリライブ(株)(東京都港区)が、同時期に大半の従業員を解雇していたことがわかった。  解雇を通知の際、エブリライブ側は従業員に「破産予定のため」と説明したという。解雇された元従業員が東京商工リサーチの取材に応じた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多

医療機関の倒産が止まらない。2026年上半期(1-6月)に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は、38件(前年同期比15.1%増)と大幅に増加した。上半期では、2006年以降の20年間で、2024年と2025年の33件を上回り、2009年の39件に次ぐ2番目の高水準となった。

5

  • TSRデータインサイト

愛媛県のいよぎんHDと愛媛銀が経営統合へ  メインバンク取引社数 金融Gでは国内21位に

愛媛県内にある企業のメインバンクシェア57.5%(県内メインバンク取引社数1万966社)の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと、県内2位で18.5%(同3,542社)の愛媛銀行が、7月24日開催の取締役会で経営統合を付議することを発表した。

TOPへ