• TSRデータインサイト

取引先の増収増益ランキングトップ 沖縄銀行の強さを分析

 「2025年全国メインバンク調査」で、メインとして取引する企業の増収増益率が全国トップだった沖縄銀行。金融をコアとする「おきなわフィナンシャルグループ(OFG)」として地域貢献を進めている。
 沖縄銀行をメインバンクとする6,033社のうち、建設業1,816社(構成比30.1%)、サービス業他1,620社(同26.8%)の2産業で約6割を占める。取引先の本社は那覇市が25.9%、浦添市が10.5%で続く。
 取引先支援を強化する沖縄銀行を東京商工リサーチ(TSR)のデータから分析した。


沖縄銀行のあゆみ

 「おきぎん」の名称で親しまれる沖縄銀行は、1956年7月に銀行業務を開始した。本土復帰の1972年、地方銀行協会の会員となり、琉球銀行としのぎを削りながら沖縄経済の発展に寄与してきた。2021年10月には(株)おきなわフィナンシャルグループを設立した。
 沖縄銀行がメインバンクとして取引する企業は6,033社。このうち、99.3%が沖縄県内に本社を構えている。県内企業のメインバンクは、トップが琉球銀行でシェア41.7%。僅差の2位に沖縄銀行が38.8%で続き、3位が沖縄海邦銀行12.8%、4位コザ信金2.7%、5位みずほ銀行0.6%と、地元金融機関のシェアが高いエリアだ。
 沖縄銀行がメインバンクの企業の本社は、県庁所在地の那覇市が1,563社(構成比25.9%)で最も多い。次いで、浦添市の638社(同10.5%)、中頭郡の630社(同10.4%)、沖縄市の472社(同7.8%)、うるま市の405社(同6.7%)が続く。

沖縄銀行 企業所在地 沖縄県内市郡別

産業別

 沖縄銀行がメインバンクの6,033社の産業別は、最多が土木工事業や建築工事業などの建設業の1,816社(構成比30.1%)。次いで、飲食店など観光関連を多く含むサービス業他の1,620社(同26.8%)、卸売業の662社(同10.9%)、小売業の609社(10.0%)と続く。“3K”産業と言われる“観光”、“公共工事”、“基地”がけん引する沖縄経済を裏付けした格好だ。

沖縄銀行 産業別

売上高別

 取引先企業の判明した直近の売上高別は、1億円未満が3,081社(構成比54.3%)と5割超を占める。次いで、1億円以上5億円未満が1,770社(同31.2%)で続き、売上高5億円未満の中小企業が取引先の85.6%にのぼる。
 一方、100億円以上は35社、50億円以上100億円未満は44社、10億円以上50億円未満が363社で、中小企業を中心に地域の有力企業との取引も多く、県内経済を支えている。

業歴別

 業歴別では、最も構成比が高かったのは10年以上30年未満の2,338社(構成比38.7%)で、30年以上が2,138社(同35.4%)で続き、10年以上が74.1%を占めた。
 一方、3年未満は73社(同1.2%)、3年以上5年未満119社(同1.9%)にとどまる。
 小・零細規模の新設会社やベンチャー企業など、起業支援の取り組み強化が大きな伸び代につながりそうだ。

支店別 本店営業部がトップ

 支店別のメインバンク取引社数は、本店営業部が319社(構成比5.2%)で最多だった。
 2位は宮古の301社、3位に八重山の198社、4位に豊見城の160社、5位は牧港の145社だった。

沖縄銀行 支店別

直近1年で新たに214社のメインに

 2025年3月末のメインバンクとしての取引先は6,033社で、2024年3月末の5,952社から81社増えた。
 同期間にメイン取引先から外れたのは133社が判明している。内訳は、休廃業・解散などが90社、倒産が6社、メインバンク変更は37社だった。
 一方、2025年3月末で沖縄銀行をメインバンクとする企業が新たに214社判明した。産業別では建設業が69社(構成比32.2%)、サービス業他64社(同29.9%)だった。



 沖縄銀行は東京商工リサーチの「全国メインバンク調査」で、取引先の増収増益ランキングで常に上位に入る。2017年トップ、2019年と2021年は2位、2024年は10位だった。 
 増収増益ランキングは、様々な取引先の業績の集大成だけに並みいる金融機関を置いて安定してランクインすることは容易でない。
 これは沖縄銀行の地道な取引先支援の効果といえるだろう。持ち株会社のおきなわFGも2025年3月期まで3期連続で増収増益を達成した。取引企業の好業績が自行の業績につながる好循環を体現している。

沖縄銀行本店ビル(TSR撮影)
沖縄銀行本店ビル(TSR撮影)



(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2025年10月10日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)


人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ