• TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

 「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。2023年は407社で対象外だったが、2024年は890件と2倍以上増やし、2025年も1,958社と続伸した。振込手数料の安さ、口座開設スピードなど、ネット銀行のメリットと強みを活かし、メインバンクとしての地位を確実に積み増している。
 GMOあおぞらネット銀行の細田暁貴執行役員は、「ユーザビリティの高さ、安価な手数料に加え、ネット銀行初の口座振替先を拡大するなど、お客様にお寄せいただいた声を着実かつ迅速にお応えし、サービス拡充を進めた結果、法人のお客様の利便性向上に繋がり、ご支持を頂けたと考えている」と2連覇の要因を分析した。
 GMOあおぞらネット銀行がメインの1,958社を対象とした。その結果、業歴3年未満が7割、売上高1億円未満が約9割、東京・大阪・神奈川で6割強を占め、都市部の新興企業に強みを持つことがわかった。
 東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースからGMOあおぞらネット銀行の成長の秘密を探った。

GMOあおぞらネット銀行(ロゴパネル写真)

GMOあおぞらネット銀行(ロゴパネル写真)


都市圏の企業が約7割

 GMOあおぞらネット銀行は、2018年7月にインターネット銀行の事業を開始した。株主(議決権比率)は、あおぞら銀行が85.1%、GMOインターネットグループとGMOフィナンシャルホールディングスが各7.43%だ。
 メインバンクになる1,958社の本社所在地は、最多が東京都で883社(構成比45.1%)、次いで、大阪府180社(同9.1%)、神奈川県176社(同8.9%)と都市部が上位を占める。ただ、前年からの増加率は、埼玉県(69.0%増)、千葉県(71.4%増)、神奈川県(93.4%増)と倍増には届かない。東京都(117.4%)も増加ピッチは緩やかだった。
 一方、北海道(593.7%増)、大阪府(168.6%増)は2~6倍と急伸し、関東以外でメインバンクの拡大が顕著だった。

GMOあおぞらネット銀行 企業所在地(都道府県別)

業歴別、従業員数別、資本金別

 業歴別(設立年月基準、7月31日現在)は、業歴3年未満が1,454社(構成比74.2%)で、新設法人がGMOあおぞらネット銀行をメインバンクとして活用しているようだ。
 また、従業員数別(判明ベース)では、従業員5名未満が1,361社(同69.5%)、資本金別では、個人企業他を含む1,000万円未満が1,848社(同94.3%)と小・零細規模の事業者が大半を占めている。

産業別ほか、サービス業他が4割超

 1,958社の産業別を調査した。経営コンサルタントや飲食業などのサービス業他の867社(構成比44.2%)が最多だった。続いて、ソフトウェア開発など情報通信業494社(同25.2%)。この2産業で全体の約7割(同69.5%)を占めた。
 今後もシェア拡大を実現するには、小売や建設、製造などにも、認知度の上昇やスムーズな利用方法などの拡散が求められる。

GMOあおぞらネット銀行 産業別

直近1年間で1,101社がメインに

 GMOあおぞらネット銀行がメインバンクの取引社数は、2024年の890社が2025年は1,958社まで増加した。また、2024年の890社のうち、857社は2025年もメインバンクだったが、33社がメインバンクから外れた。
 33社の内訳は、メインバンク変更は5社で、残りは倒産や休廃業・解散などだった。
 一方、2025年3月までに1,101社が新たに加わった。1年間で1,000社を超えるメインバンクになる企業の獲得と、他行へのメイン変更が少ない点に秘訣が隠されているようだ。

直近1年間で1,101社がメインに


 メインバンク取引社数の増加率は、2年連続でGMOあおぞらネット銀行がトップだった。
 このほか、NTTドコモが子会社化を発表した住信SBIネット銀行が2位、3位はPayPay銀行、4位に楽天銀行と、前年に引き続きネット銀行が上位を独占している。
 また、上位4ネット銀行は、取引社数が2,000社前後を確保し、第2地銀や信金と同クラスまで急増した。

 ネット銀行がシェアを急伸する背景には、スピード感がある。新設法人の金融ニーズを汲み取り、存在感を増している。特に、法人向けを強化するGMOあおぞらネット銀行の勢いに陰りはみえない。



 ネット銀行は今後、AI活用で融資分野への進出を加速する可能性をみせている。だが、三井住友FGは、中小企業向けサービス「Trunk(トランク)」をスタートし、中小企業や新設法人向けの金融サービスは競争が激化しつつある。新設法人の取り込みで先行し、独自のノウハウを持つGMOあおぞらネット銀行などネット銀行は牙城を守れるのか。
 メインバンク取引社数の増加率を巡る戦いは、メガバンクからネット銀行まで巻き込みながら第2フェーズに入った。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

2

  • TSRデータインサイト

倒産と無縁の税理士業界に異変、2026年上半期は4件発生 粉飾は詐欺罪も、コンプラ違反と健康問題がリスクに

過去、税理士事務所の倒産は半年で、概ね1~2件にとどまっていた。景気状況に相関せず、倒産と無縁の税理士業界だったが、2026年上半期(1-6月)はすでに4件発生した。

3

  • TSRデータインサイト

エブリライブの元従業員、「突然の解雇」に困惑

6月初旬から連絡が取りにくくなっているライブ配信のエブリライブ(株)(東京都港区)が、同時期に大半の従業員を解雇していたことがわかった。  解雇を通知の際、エブリライブ側は従業員に「破産予定のため」と説明したという。解雇された元従業員が東京商工リサーチの取材に応じた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多

医療機関の倒産が止まらない。2026年上半期(1-6月)に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は、38件(前年同期比15.1%増)と大幅に増加した。上半期では、2006年以降の20年間で、2024年と2025年の33件を上回り、2009年の39件に次ぐ2番目の高水準となった。

5

  • TSRデータインサイト

愛媛県のいよぎんHDと愛媛銀が経営統合へ  メインバンク取引社数 金融Gでは国内21位に

愛媛県内にある企業のメインバンクシェア57.5%(県内メインバンク取引社数1万966社)の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと、県内2位で18.5%(同3,542社)の愛媛銀行が、7月24日開催の取締役会で経営統合を付議することを発表した。

TOPへ