• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「広告業」は上位3%の大手が、シェア6割超 コロナ禍から復活、黒字企業が8割と好調

~ 2024年度「広告業」業績動向調査 ~

 2024年度の主な広告業1,823社の業績は、コロナ禍明けのイベント需要の回復や企業の積極投資に支えられ増収増益だった。1,823社の2024年度業績は、売上高3兆7,604億円(前年比5.6%増)、当期純利益1,666億円(同12.9%増)で前年度から回復した。
 ただ、2024年度の最終利益率は4.4%で、人件費の高騰などからコロナ禍の2022年度の4.6%を0.2ポイント下回った。
 東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースで、全国の広告会社1,823社の2024年度の業績を調査した。売上高100億円以上は59社(構成比3.2%)にとどまる一方で、59社の売上高合計は2兆4,487億円(同65.1%)と全体の6割超を占めた。
 売上高5億円未満は1,271社(構成比69.7%)で企業数は約7割を占めたが、売上高合計は1,609億円(同4.2%)と5%に届かなかった。
 広告業界は、大手代理店が頂点に立つ業界で、ひと握りの大手が業界全体をけん引する構図となっているが、昨今はネット広告が急成長をたどり地殻変動が起きつつある。
 収益は、約8割の1,449社(構成比79.4%)で黒字だったが、増収増益は510社(同27.9%)にとどまり、人件費、コストアップで採算確保が厳しい状況が水面下で進んでいるようだ。
 2024年度の休廃業・解散は399社(前年比6.4%増)、倒産は69社(同25.4%増)で、合計468社(同8.8%増)が市場から退出し、過去10年間で最多を更新した。
 大手がシェアを押さえるが、従来のマス広告から動画やSNSなどインターネット広告に業界のパワーバランスが変化しつつあり、今後は構造変化と収益確保への対応力が問われている。
※ 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、日本産業分類(細分類)の広告業を対象に、2024年度の業績(2024年4月~2025年3月)を最新期とし、3期連続で業績が判明した1,823社を抽出、分析した。なお、(株)サイバーエージェントは広告事業の売上規模を勘案し調査対象に加えている。


倒産と休廃業・解散の合計が過去10年間で最多

 2024年度の広告業の休廃業・解散は399社(前年比6.4%増)、倒産は69社(同25.4%増)で合計468社(前年比8.8%増)が市場から撤退し、過去10年間で最多だった。
 2019年度以降、倒産は年間60件を下回る状態が続いたが、5年ぶりに60件を超え、高水準で推移している。また、2024年の休廃業・解散は、過去10年間で最多を更新した。
 広告業界を取り巻く環境は大きく変化し、顧客ニーズに対応できない広告関連業者を中心に今後も淘汰が進むとみられる。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

上場企業「個人情報漏えい」、過去最悪ペース ~ 100万件以上、2026年はすでに10件の異常事態 ~

情報セキュリティ対策は、企業の事業継続上でも不可欠な経営課題に浮上している。 AI普及で、より強固な対策が必要なのは当然だが、被害を受けた場合の迅速な対策を示す事業継続計画(BCP)の整備も求められる。

2

  • TSRデータインサイト

リフォーム工事業の倒産、過去最多ペース ~ 資材高と人手不足、値引き要求で「利益なき工事」 ~

住宅ローン金利上昇、地価高騰で中古への視線が熱い。ただ、2026年のリフォーム工事会社の倒産は、1-9月で96件(前年同期比20.0%増)に達し、2002年以降の最多を更新した。このペースだと年間120件を超える。

3

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

4

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

5

  • TSRデータインサイト

年度上半期の「人手不足」倒産 過去最多の240件 深刻な“賃上げ疲れ”、『賃上げ倒産』が1.7倍に増加

2026年度上半期(4-9月)の「人手不足」倒産は、240件(前年同期比17.0%増)と過去最多を記録した。コロナ禍の2021年度同期の26件を底に、5年連続で前年同期を上回った。調査を開始した2013年以降の年度上半期では、これまで最多だった前年同期(205件)を抜いて最多を更新した。

TOPへ