• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

家事代行の倒産がジワリ増加 ~ 相次ぐ新規参入で淘汰急増 ~

 家政婦を中心に据えたテレビドラマが人気を博したのは記憶に新しい。ところが今、家事代行サービス業の倒産が急増している。家政婦不足が直撃しているだけではなく、掃除や料理など短時間の家事代行の市場拡大をにらみ、ITを駆使した新規参入が増え、競争が過熱している。
 経験やスキルの乏しい人材に頼る業者も目立ち、サービス料金と質のギャップは大きく、業界の信頼を問われる分岐点を迎えている。
 東京商工リサーチ(TSR)が、急増する家事代行サービス業の倒産を調査した。



 2025年1-7月の家事代行サービス業(住み込みでないもの)の倒産が急増した。
 同期推移をみると、2006年以降の過去20年間では、2010年から15年まで6年連続ゼロだった。コロナ禍でも2022年、23年の4件がこれまでの最多だった。ところが、2025年に入ると状況が一変。これまで最多だった4件の2倍に急増している。

家事サービス業の倒産推移(1-7月)

 

 8件の倒産原因は、すべて「販売不振」だ。それだけ同業が乱立し、競争が激化している。形態別はすべて破産だ。再生や先行きが見通せず、会社消滅を選択せざるを得なかったのだろう。
 資本金は500万円未満、負債額は5,000万円未満、正社員数は5名未満が最も多く、一度躓くと事業再生への道のりは遠い。

 TSRデータベースによると、家事サービス業の新設法人数は、2019年の29社を底に、2024年まで5年連続で増加。2024年は初めて年間100社を超え、133社となった。淘汰増加に先んじて新設数が増えており、すでに熾烈な競争の幕が開いている。

家事サービス業の新設法人(年次推移)



 アプリを利用した短時間サービスの浸透などで家事代行サービス業の事業環境は激変している。無計画な開業による質の低下やトラブルもみられる。利用する側にも目利きが求められる時代に突入している。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2025年8月14日号掲載「取材の周辺」を再編集)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

賃金上昇、従業員退職による倒産が過去最多 8月の「人手不足」倒産 8月では最多の32件

2026年8月の「人手不足」倒産は、32件(前年同月比39.1%増)だった。8月としては、前年の23件を大幅に上回り、最多を更新した。1-8月は333件(前年同期比38.7%増)で、年間最多ペースが続く。

2

  • TSRデータインサイト

出版業の倒産急増、利益も悪化傾向 ~ 存続に向けた書店との直取引、目指す姿と課題 ~

電子書籍が普及するなか、紙の書籍を主体に手掛ける老舗出版社を中心に、「出版業」の倒産(負債1,000万円以上)が急増している。 2026年1-7月の「出版業」の倒産は21件(前年同期比90.9%増)で、2019年同期の21件以来7年ぶりに20件を超えた。

3

  • TSRデータインサイト

「フィットネスクラブ」の倒産が過去最多を更新へ 1-8月は26件、市場拡大もレッドオーシャンの兆し

拡大するフィットネス市場で、「フィットネスクラブ」の倒産が急増している。2026年1-8月は26件(前年同期比160.0%増)と前年同期の2.6倍に達し、2023年同期の16件を抜いて過去最多を更新した。 現在のペースで推移すると、2026年は年間最多の2023年の27件を上回り、40件台も視野に入ってきた。

4

  • TSRデータインサイト

泥臭い再生支援と粉飾決算、銀行員の「違和感」~ 「実務家座談会」を開催(後編)~

(後編)事業再生に携わる金融機関は企業にどう向き合うのか。東京商工リサーチ(TSR)は、事業再生に携わる金融機関の担当者に、取り組みの現状や事例、特色、留意点などを聞いた。

5

  • TSRデータインサイト

「半導体関連メーカー」生成AI普及で業績好調 売上トップはキオクシア、TSMC日本子会社は売上高約143倍

生成AIの普及やデータセンター向け需要拡大で、国内の主要半導体関連メーカーの業績が好調だ。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベース(約440万社)から、全国の主な半導体関連メーカー154社の2025年度業績を分析した。

TOPへ