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破産開始のサクライ、「ここ10年は債務超過だったのかもしれない」

 7月30日に東京地裁より破産開始決定を受けた(株)サクライ(TSRコード:290060095、東京都、製菓材料販売)の実態バランスシートは、長年に渡って極めて厳しい状況だったことが東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。


 サクライを巡っては、関係先に報告していた2024年4月期の負債総額は約34億5000万円だったが、破産申請時は約73億円にまで増加しており、既往決算の信頼性に疑問の声があがっている。取引先の1社は「簿外での処理があったのではないか。これでは財務分析が意味をなさず、与信ができない」と漏らす。7月30日には多くの取引先がサクライ本社を訪れ、担当者に説明を求めた。

 TSRが独自入手したサクライの破産申立書には、破産に至る経緯として「先代社長のころ、金融機関から借り入れを行い、バブル期のころから絵画骨董等の購入代金に充てることが多々あった。金額は明確には分からないが、少なくとも数億円を借り入れていた」との記載がある。その上で、「いつごろから債務超過であったかは分からないが、ここ10年は債務超過だったのかもしれない」と続けている。

 サクライの税務申告用決算によると、2025年4月期の売上高は53億9663万円、最終利益は1292万円の黒字。純資産合計は2億7061万円のプラスで、総資産は45億3598万円だ。また、バランスシートの有形固定資産には、土地8億1233万円、什器備品3億9297万円(減価償却後)など合計12億2764万円の有形固定資産が計上されているが、絵画関連と思われる数億円以上の勘定は見当たらない。
 過去の決算処理と責任の所在が破産手続きの焦点の一つになりそうだ。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2025年8月7日号掲載「SPOT情報」を再編集)

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