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脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の紆余曲折 ~ 度重なる体制変更と「第三者破産」 ~

 大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」に対し、債権者から破産を申し立てられた。ミュゼプラチナムを巡っては、ことし2月に経営を巡って内紛が発生し、3月には直営の全店舗で休業を発表していた。
 全国で約20万人の顧客が前払い金を払いながら施術を受けられず、従業員への給与も遅延している。これに対応するため、フランチャイズ(FC)展開などの事業変革を模索していた矢先の出来事だ。
 かつて、有名タレントを使った広告戦略で業界トップに急成長したミュゼプラチナムのこれまでをまとめた。


積極的な広告戦略で急成長

 2002年8月、(株)ジンコーポレーション(現:(株)M&Fアセットパートナーズ、TSRコード:150171919、福島県)が設立され、2003年7月に福島県郡山市で「美容脱毛専門サロン・ミュゼプラチナム」の1号店がオープンした。
 有名な女性タレントを起用した広告戦略で顧客を増やし、事業を拡大した。とくに低価格キャンペーンや通い放題プランなど若者に刺さる施策を次々と打ち出し、瞬く間に人気サロンとなった。2005年8月期に4億3,090万円だった売上高は、2014年8月期は386億7,127万円へ急成長を遂げた。
 だが、顧客が支払った前払金ついて、預り金として施術ごとに売上計上する処理ではなく、一括で売上計上していたことが表面化。急成長のあおりで会員の予約の取りにくさも増し、解約が急増した。このため、解約金の支払いが増加したことに加え、成長にブレーキがかかり、2015年8月期は約52億円の最終赤字を計上し、経営危機に陥った。
 2015年12月、ミュゼプラチナム事業は負債を除いて休眠会社の(株)ミュゼプラチナム(現:(株)MIT、TSRコード:300036639、大田区)に譲渡された。この時に支援したのが東証二部上場(当時)の(株)RVH(TSRコード:350646783、東京都港区)だった。

新たな運営会社と度重なる親会社変更

 ミュゼプラチナムは、顧客に不評だった予約の取りにくさの解消や公式アプリのリリースなど矢継ぎ早に改革を実行。だが、同業との激しい顧客の奪い合いと宣伝広告費の負担で、厳しい業況が続いた。
 2019年3月期の売上高は393億5,700万円を維持したが、最終利益は20億1,400万円の赤字に沈んだ。期末時点の純資産はわずか1億4,000万円だ。
 2020年4月、今度は「たかの友梨ビューティークリニック」の運営会社を傘下に置く(株)G.Pホールディング(TSRコード:296505404、新宿区)の子会社となった。2023年4月、今度は話題となった「船井電機」のグループに入ったが、わずか1年で離脱する。
 この間、ミュゼプラチナムの運営会社は、脱毛サロン「キレイモ」などの運営を他社から承継したが、広告費の未払いが発生した。この未払い広告費は船井電機の親会社である船井電機・ホールディングス(株)(現:FUNAI GROUP(株)、TSRコード: 570182948、大東市)が連帯保証した。そして、船井電機・ホールディングスの保有する船井電機の株式に仮差押が申し立てられ、2024年5月に仮差押が決定した。



現在の運営会社

 運営会社や親会社がたびたび変更され、2024年9月に設立されたのが現在の運営会社のMPH(株)(TSRコード: 036547190、大田区)だ。
 新たなスポンサーに名乗りを上げたのがグローバルブリッジファンド合同会社(TSRコード:698497082、千代田区)だ。GBF社は10月のプレスリリースで、MPHの事業支援に取り組むことを表明した。
 ところが、2025年2月に経営権を巡って対立が発生した。合同会社トラスト(TSRコード:023567023、東村山市)が、「経営体制及び今後の運営に関するご連絡」をMPHに送付し、取締役の解任などを突きつけた。
この問題で、MPHとトラストは裁判で争うことになったが、3月26日に役員の地位保全の仮処分命令の判決が下り、本社への立ち入りが出来なくなっていた三原孔明社長(当時)が経営権を取り戻した。
 前後して、3月21日、MPHは公式サイトで「資金支援およびサービス拡充準備に向けた一時休業のお知らせ」をリリース。「国内優良企業からの資金支援を受けることが決定し、各種準備のために3月22日から4月20日までの期間、全店舗を一時休業する」ことを明らかにした。


休業を告げる貼紙(3月25日)

休業を告げる貼紙(3月25日)


 

 現在、ミュゼプラチナムの事業は、MPH、新生ミュゼプラチナム(株)(TSRコード:136911390、千代田区)、どこでもミュゼプラチナム(株)(TSRコード:036220566、千代田区)の3社が連携して担っている。



 今後は裁判所が支払い状況などを調べ、手続きの開始が妥当かを判断することになる。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2025年5月16日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)


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