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「お花見、歓迎会」開催は、企業の23.8% コロナ禍後で最低、かつての慣習戻らず

~2025年「お花見、歓迎会・懇親会に関するアンケート」調査~


 コロナ禍で下火になったお花見、歓迎会は、今シーズンもコロナ前の水準に戻らなかった。満開のサクラの下で友好を深めるお花見や、入社、異動の歓迎会が本番を迎えたが、開催率は23.8%で3割に届かず、コロナ前の51.8%には遠く及ばなかった。開催率は、コロナ禍の2022年は最低の5.3%まで落ち込み、コロナ禍が落ち着いた2023年は27.9%まで回復したが、その後は横ばいをたどっていた。街への人流は回復しても、お花見や歓迎会の開催ムードは広がらず、業務とプライベートの垣根は高くなっているようだ。
 東京商工リサーチ(TSR)は4月上旬、企業向けアンケート調査を実施した。今シーズンのお花見、歓迎会を開催する企業は23.8%(5,628社中、1,345社)で、前年の29.1%を5.2ポイント下回り、コロナ禍以降での最低を記録した。
 歓迎会や懇親会に「制限を設けていない」と回答した企業は90.0%で、大半の企業がコロナ禍のような制限を設けていないが、お花見や歓迎会の開催率は戻っていない。
 「開催する」と回答した企業のうち、「お花見、歓迎会・懇親会」を労働時間に含むと回答した企業は18.5%だった。お花見や歓迎会を労働時間に組み入れるのは、参加者の心理的負担を軽減する苦肉の策かもしれないが、上司と部下が酒席をともにする抵抗は強そうだ。
 慣例行事は一度途切れると再開は難しく、コロナ禍の入社組は社内の宴会経験が少ない人も多い。親睦や一体感の醸成は宴会だけに限らず、個人と会社の距離は変わりつつある。
※ 本調査は、2025年4月1日~8日、企業を対象にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答5,628社を集計、分析した。
※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。



Q1.「お花見」、または「歓迎会・懇親会」の開催について伺います。今年春の開催状況はどれですか?(択一回答)

◇お花見や歓迎会の開催率 コロナ明け以降で最低の23.8%

 2025年に「お花見、歓迎会・懇親会」を開催した(予定含む)企業は23.8%(5,628社中、1,345社)だった。2024年4月の29.1%から5.2ポイント減少し、コロナ明け以降の最低を記録した。
 コロナ禍を経て、個人の価値観が大きく変化し、コロナ禍が落ち着いてきてもこうした慣例行事の開催機運は戻っていないようだ。
 規模別では、大企業の開催率は32.9%(437社中、144社)に対し、中小企業は23.1%(5,191社中、1,201社)にとどまり、大企業が9.8ポイント上回った。


◇都道府県別 トップは熊本県
 都道府県別では、2025年に「開催した(予定含む」割合は、熊本県の36.5%(コロナ禍前60.7%、前年39.0%)がトップ。2024年は開催率4割以上が3件だったが、2025年は開催率4割以上はゼロだった。2025年は、開催率15%未満は4県(前年度1県)で、開催率が低下傾向にある。



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