• TSRデータインサイト

2025年2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産 33件 9カ月連続で前年同月を下回る、累計1,858件に

2025年2月度「ゼロゼロ融資」利用後の倒産状況


 コロナ関連の資金繰り支援策の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産が、2025年2月は33件(前年同月比23.2%減)だった。
 2024年11月から4カ月連続で30件台にとどまり、9カ月連続で前年同月を下回った。2024年後半から50件を下回り、漸減傾向をみせている。業績回復に加え、「コロナ借換保証」などの支援や返済猶予が倒産抑制に寄与しているようだ。なお、ゼロゼロ融資を利用後の倒産は、2020年7月から累計1,858件に達した。

 ゼロゼロ融資などコロナ関連支援策は、窮境状態にあった企業の倒産抑制に劇的効果をみせた。だが、コロナ禍が落ち着いても、物価高や人手不足、人件費上昇が、企業収益を圧迫している。こうしたなか、2024年4月にピークを迎えたゼロゼロ融資の返済開始が、資金繰りへの影響を懸念されたが、返済猶予やコロナ借換保証などの資金繰り支援が下支えしているようだ。

 政府は今後、2025年1月以降の資金繰り支援策について、コロナ対応型の支援策を3月末で終了し、経営改善・再生支援・成長促進にシフトして経営を後押しする。
 一方で、日本銀行は1月24日、政策金利を0.5%程度への引き上げを決定した。金融機関の企業向け貸出金利も上昇局面に入り、金利負担を吸収するだけの収益向上が経営課題となっている。このため、過剰債務から抜け出せず新規事業への転換が難しい企業は、市場退出を迫られる可能性も出ている。
 また、中小企業庁によると、コロナ借換保証はゼロゼロ融資から同額で借り換えた割合が高く、約8割が返済開始まで2年以内の据置期間を設定している。このため、今夏以降、返済が始まる企業の増加が見込まれ、金利動向と併せて注視することが必要だ。
※ 本調査は、企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を受けていた企業の倒産(法的・私的)を集計、分析した。

ゼロゼロ融資利用後倒産 月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ