• TSRデータインサイト

「お肉のスーパーやまむらや」が閉店 ~ 「肉ガチャ」の投資負担と今後の行方 ~

 京都を中心に精肉小売店を展開する(株)YAMAMURA(TSR企業コード:641263520、京都市)が2月2日、全店舗を閉鎖した。2日までの営業を告知していたが顧客が殺到し、1日前倒しでの閉店となった。
 地元で愛された精肉店の突然の閉店を東京商工リサーチ(TSR)が追った。



 YAMAMURAは友禅染色として創業し、1978年に食肉小売業に事業を転換した。本社地で「お肉のスーパーやまむらや」を経営するほか、宇治市や滋賀県などで6店舗を展開するほか、「出張BBQ」と称してコンロやテーブルなどのバーベキュー用品を指定場所に届けるサービスも手掛けていた。
 また、コロナ禍以降は「肉ガチャ」の名称で肉の自動販売機事業にも参入し、2022年3月期の売上高は約16億円を誇っていた。

新事業の立ち上げと投資負担

 今回の事態について、関係筋では自動販売機事業への投資や積極展開が重荷になっていたと推測する。肉の自動販売機は物珍しさもあって設置スペースを増やし、2023年には京都・大阪などで80カ所まで拡大していた。
 だが、「投資負担の一方で、想定した売上を確保できなかったようだ」(関係筋)。コロナ禍で生き残りをかけた新事業が資金繰りに影響したとすれば皮肉な話だ。

報道後、来店客が殺到

 YAMAMURAは1月末、2月2日で全店舗の閉店を告知した。これを報道で知った顧客が店舗に殺到し、2月1日の各店舗はお客が長い行列をつくった。想定外の来店客に在庫がなくなり、予定より1日早い2月1日で店舗営業を終了した。だが、2日に来店した顧客からは、ポイントを使いきれなかったことを嘆く声もあがった。



 2月4日午前10時まで、YAMAMURAの今後については具体的な説明や官報公告は見当たらない。ある取引先は、「2月3日時点でYAMAMURAへの債権が残っている」と耳打ちする。
 店舗を閉鎖する場合、一定の周知期間を設けるのが一般的だが、今回は短い。
 そこにどのような理由があるのか、取引先は今後の展開を見守っている。

YAMAMURAの「肉ガチャ」
YAMAMURAの「肉ガチャ」

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2025年2月5日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「円安」、企業の40.7%が「経営にマイナス」 望ましい為替レートは、「1ドル=136.8円」

東京商工リサーチは6月1日~8日、円安に関するアンケート調査を実施した。その結果、望ましい為替レートは、平均値「1ドル=136.8円」、中央値「1ドル=140.0円」で、現状の「1ドル=160円前後」とは、約20円の乖離があることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

「ナフサ供給」 支障がある85.0% 製造業で40.4%が在庫積み増しに動く

ナフサやシンナーなど石油化学製品基礎原料の供給不安が広がっているが、在庫を積み増した企業は30.7%(5,707社中、1,757社)で、製造業では40.4%(1,600社中、647社)に達したことがわかった。

3

  • TSRデータインサイト

α・Z世代から大人まで巻き込み、「ぬい活」業界が好調 ~ 売上高は成長路線に、利益は4年前から倍増 ~

「ぬい活」の勢いが止まらない。 「おもちゃ」という枠を超え、1990年代中盤以降生まれの「α・Z世代」から大人まで活動に勤(いそ)しみ、ぬいぐるみ業界は特需に沸いている。 東京商工リサーチの企業データベースからぬいぐるみの販売やサービスなどを主な事業とする34社の業績を抽出した。

4

  • TSRデータインサイト

【第2回中東情勢アンケート調査】「マイナスの影響」 企業の80.6%に広がる 原油、ナフサなどの高騰、品薄に懸念強まる

米国とイスラエルのイラン攻撃による混迷が、世界経済に深刻な影響を及ぼしている。東京商工リサーチは6月1日~8日、2回目の「中東情勢」が企業の事業活動に与える影響をアンケート調査した。 「マイナスの影響がある」と回答した企業は80.6%(7,614社中、6,142社)で、8割を超えた。

5

  • TSRデータインサイト

【債権者集会詳細】船井電機の管財人、元代表への損害賠償請求を公表

破産手続き中の船井電機(株)の第3回債権者集会が6月10日15時過ぎから東京地裁で開かれた。 破産管財人側は、6月4日に大阪地裁に元代表を被告とした2億460万円及び遅延損害金の支払いを求める損害賠償請求訴訟を提起したことを公表した。

TOPへ