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学習塾の約3割が赤字  約20社の大手塾が市場の66.2%をおさえる

~ 全国396社「学習塾」業績動向調査 ~


 少子化や受験の多様化、個別指導、オンライン授業の台頭などで、学習塾の経営は難しさが増している。
 全国の主な学習塾396社の2023年度の売上高は5,431億円(前期比1.0%増)と微増だったが、利益は297億円(同3.9%減)と減益だったことがわかった。
 全体の約7割の270社(構成比68.1%)が黒字だったが、増収は161社(同40.6%)にとどまった。一方、赤字は126社(同31.8%)で、前々期の103社(同26.0%)から5.8ポイント上昇し、ジワリと収益格差が広がりつつある。

 東京商工リサーチ(TSR)は、全国の主な学習塾396社を対象に業績動向を調査した。売上高100億円以上は19社(構成比4.8%)で、5億円未満は319社(同80.5%)と8割を占める。
 ただ、売上高のシェアでは100億円以上の企業で3,600億円に達し全体の66.2%を占めた。5億円未満の合算は263億円と4.8%にとどまり、大企業による寡占の構図が強まっている。

 厚生労働省の人口動態統計によると、2023年の出生数は72万7,200人で、1899年に統計を取り始めて以降、最も少ない。ますます少子化をたどるなか、縮小するマーケットに学習塾の新規参入も増え続け、講師等の人件費やコストアップを避けられず収益環境は厳しくなっている。

 今後、タブレットやAIなどを活用したより質の高い教育プログラムの提供や、生徒や保護者を惹きつける独自の強み、合格実績などを発揮できない学習塾の生き残りは難しくなるだろう。
※ 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約400万社)から、日本産業分類(細分類)の「学習塾」を対象に、2023年度の業績(2023年4月期~2024年3月期決算)を最新期とし、5期連続で売上高、利益が判明した396社を抽出、分析した。


売上高は微増、利益は減少

 全国の主な学習塾396社の2023年度の売上高は5,431億円(前期比1.0%増)、最終利益は297億円(同3.8%減)で、増収減益だった。
 コロナ禍の影響を受けた2020年は減収に転じたが、その後は緩やかに増収をたどり受験産業の強みを垣間見せている。
 だが、運営コストの上昇に加え、教員などの人手不足等で人件費上昇が重なった2023年度の最終利益は前期を下回った。

 売上高別では、1億円未満の233社(構成比58.8%)が最も多かった。次いで、1億円以上5億円未満の86社(同21.7%)、10億円以上50億円未満の35社(同8.8%)と続く。
 5億円未満が全体の約8割(同80.5%)を占め、一部の大手学習塾と地域や専門性に特化した中小・零細規模に二分化した構造になっている。

学習塾の業績推移

損益別 黒字企業が約7割

 最終損益は、黒字が270社(前期290社、前期比5.0%減)で、構成比は68.1%だった。前々期の293社(構成比73.9%)から構成比は5.8ポイント低下し、黒字企業は減少している。  
 一方、赤字は126社(同31.8%)で、前々期の103社(同26.0%)から5.8ポイント上昇した。ジワリと黒字企業が減少している。

学習塾の損益別

「学習塾」の倒産・休廃業 新設法人の設立数を10年連続で下回る

 2024年の「学習塾」の倒産は53件、休廃業・解散は195社で、合計248社が市場から撤退した。
 2023年まで10年連続で市場撤退企業数を新設法人数が上回り、学習塾は新規参入が増え続け、競争が一層激しくなっている。
 倒産件数の増加とともに、休廃業・解散が一気に増勢に転じたことは、経営体力に劣る中小・零細事業者の苦境を示しており、この傾向はさらに強まる可能性が高い。

「学習塾」の倒産、休廃業・解散、新設法人推移

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