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信用金庫の2024年3月期の「総資金利ざや」 過去最高の0.19% 金利引き上げが奏功、運用利回りの好転で銀行を抜く

全国253信用金庫「総資金利ざや」調査


 全国253信用金庫の2024年3月期決算の「総資金利ざや(中央値)」は0.19%(前年0.17%)で、2018年3月期以降で最高を記録した。銀行は0.18%で、2020年同期以来、4年ぶりに銀行を抜いた。
 「資金調達原価率(中央値)」は0.82%(前年0.80%)で、資金の調達コストは前年より0.02ポイント上昇した。だが、「資金運用利回り(中央値)」は1.03%(同0.99%)と0.04ポイント上昇し、資金運用益の改善が収益を押し上げた格好となった。コロナ禍が落ち着き、信用金庫も貸出金利の引き上げに動いており、さらに株価上昇も「総資金利ざや」の上昇につながった。

 全国253信金の8割(83.7%)の 212金庫で「資金運用利回り」が前年を超えた。ただ、資金の調達コストを示す「資金調達原価率」も160金庫(同63.2%)で上昇している。
 一方、「資金調達原価率」が「資金運用利回り」を上回る、いわゆる「逆ざや」は2金庫(前年3金庫)に減少、2018年以降で最も少なかった。逆ざやの2金庫のうち、稚内信金(北海道)は2019年3月期から6年連続、石動信金(富山県)は2018年3月期以降で初めて逆ざやに陥った。
 長く続いた低金利の間も信用金庫は銀行と一線を画し、低金利競争を極力避けてきた。そして、金利の上昇局面ではいち早く引き上げに動き、資金運用利回りの上昇につなげた。

 信用金庫の取引先は中小・零細企業が中心で、普段から地域に密着した営業を展開している。ただ、コロナ禍からの業績回復が遅れ、収益面に課題を抱える企業が多く、今後は利ざや確保と事業再生の両輪への力量が問われてくる。

※本調査は254信用金庫のうち、非公開の1信金を除く253金庫の2024年3月期決算の「総資金利ざや」を調査した。
※「総資金利ざや」とは、「資金運用利回り」-「資金調達原価率」で算出され、収益を示す指標の一つ。貸出金や有価証券の利息などを指す「資金運用利回り」が、人件費や資金調達に要したコストの「資金調達原価率」を下回ると、貸出や運用で利益が出ていない「逆ざや」となる。
※2017年3月期以前は、主要152金庫の数値を参考までに記載した。

3月期 総資金利ざや 中央値推移


「逆ざや」は2金庫に減少

 253金庫のうち、2024年3月期に「総資金利ざや」がマイナス、いわゆる「逆ざや」は2金庫(前年3行)だった。2018年3月期以降、2023年3月期の3金庫を下回り最少となった。
 総資金利ざやが1.0%以上は1金庫だったが、3年ぶりに登場した。総資金利ざやが「0.3%以上0.4%未満」は10金庫増加したが、「0.1%以上0.2%未満」は3金庫減、「0.0%以上0.1%未満」は15金庫減、「0.0%未満」は1金庫減で、全体的に総資金利ざやは底上げがみられた。

3月期 「総資金利ざや」分布

地区別 中部、北陸を除く8地区で「総資金利ざや」が上昇

 10地区のうち、中部、北陸を除く8地区で「総資金利ざや(中央値)」が上昇した。
 最高が四国の0.30%(前年0.29%)で、次いで、九州0.28%(同0.23%)、東京0.26%(同0.23%)、近畿0.22%(同0.20%)、東北0.21%(0.18%)と続く。最低は、北陸の0.11%(同0.12%)。
 都道府県別では、「総資金利ざや」が前年を上回ったのは、37都道府県(構成比78.7%)で、8割近くを占めた。一方、低下は7県、同水準は3県だった。最高は高知の0.68%(前年0.54%)。次いで、沖縄0.52%(同0.45%)、山形0.43%(同0.33%)の順。
 最低は富山の0.08%(同0.08%)だった。

信用金庫 都道府県別 総資金利ざや(中央値)

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