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2023年1-8月「写真店」倒産が過去最多の20件 スマホ、デジカメの普及に生活様式の変化で追い打ち

~ 2023年1-8月 「写真業の倒産動向」調査 ~


 スマホやデジタルカメラの普及で、写真撮影やフィルム現像など昔ながらの「写真店(写真業)」の倒産が2023年1-8月は20件に達し、過去最多ペースで推移していることが東京商工リサーチ(TSR)の調査でわかった。2023年1-8月の写真業の倒産は、前年同期(3件)から約7倍に急増、1‐8月累計では2004年からの過去20年間で2007年の19件を抜き、最多を記録した。このペースで推移すると、年間でも過去最多だった2020年の26件を抜き、30件台に乗せる可能性も出てきた。
 コロナ禍で結婚式や卒業式などの行事が減少し、コロナ関連倒産が13件発生した。スマホやデジタルカメラは、価格や現像などの利便さでフィルムカメラを凌ぎ、また、画質や写真加工ソフトの性能も向上し、SNSなど大量の画像共有が容易となった影響も大きい。

 これまで1-8月累計で「写真店」の倒産が最多だった2007年は、カメラ付き携帯電話が浸透し、デジタルカメラも急成長した。家庭用プリンターの普及で、印刷が簡単に、安価にできるようになり、撮影から現像までプロの技術を売りにした「写真店」が一気に苦境に立たされた。
 それでも結婚式、入学・卒業、七五三などの記念では、撮影や高画質な現像でプロの技術が求められ、倒産は年間10件前後の小康状態が続いた。しかし、コロナ禍で卒業式や入学式、修学旅行、結婚式などの延期や中止、縮小が相次ぎ、需要が急減した。この窮状はコロナ関連支援に支えられ、倒産は大幅に減少し2022年同期は過去最少の3件にとどまった。

 経済活動が再開し、新型コロナの5類移行で国内旅行も盛り返しているが、若者世代を中心に、スマホやデジカメで高画質の写真撮影が日常生活にまで溶け込み、撮影技術も高まっている。新たなニーズの掘り起こしなどで、個人撮影との差別化を図れないと、さらに「写真店」の倒産が増え続けることが危惧される。

※ 本調査は、日本産業分類(小分類)の「写真業(商業写真業含む)」を抽出し、2023年1-8月の倒産を集計、分析した。


2023年1-8月の「写真業」倒産は20件で過去最多、年間では30件超の可能性も

 2023年1-8月の「写真業」倒産は20件(前年同期比566.6%増)と急増した。過去20年で最多だった2007年の19件を上回った。負債総額は14億8,100万円(同1039.2%増)で、過去20年では3番目の高水準となった。
 年間(1-12月)倒産の最多は、コロナ禍初期の2020年の26件。現在のペースで推移すると、2023年は年間30件に到達する可能性が高まってきた。


「写真業」の倒産推移(1-8月)

原因別 「販売不振」が9割

 原因別では、最多が「販売不振(売上不振)」の18件(前年同期比500.0%増)。残る2件は「他社倒産の余波」(前年同期ゼロ)だった。
 コロナ禍の需要減やスマホ、デジカメとの競合で売上不振の「写真店」の倒産が目立った。

負債額別 5,000万円未満が約9割

 負債額別では、最多が1千万円以上5千万円未満で17件(構成比85.0%、前年同期比750.0%増)と、小・零細規模の倒産が9割近くを占めた。続いて、1億円以上5億円未満が2件(同10.0%、同100.0%増)、5億円以上10億円未満が1件(同5.0%、前年同期ゼロ)だった。
 主な倒産は、(株)コマエ写場(TSR企業コード:740227920、広島県、負債9億円)が8月1日、広島地裁から破産開始決定を受けた。結婚式場の運営会社と連携して事業展開していたが、コロナ禍の需要減が大きかった。同社の倒産では、衣装レンタルが実施できなくなったことで、代金の一部を前払いで支払っていた顧客が巻き込まれ、被害が広がった。

2023年1-8月写真業 負債額別倒産状況
 



 コロナ禍前から深刻な苦境が長引く「写真店」。技術革新で、スマホやデジカメで気軽に高画質な写真をどこでも撮影でき、大量の画像をスマホ本体やクラウドで保存し、SNSなどで共有することが日常化し、プロのカメラマンに撮影をしてもらったり、画像を写真店で印刷することが少なくなった。
 需要が急回復する見通しも立たず、少子化や資材などコスト増も進行するなど経営環境は厳しさを増している。プロの高い撮影技術や現像、加工処理の強みを活かし、付加価値を高めていく必要があるだろう。

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