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件数13件、年上半期では3年ぶりに増加 ~ 2022年上半期(1-6月)「タクシー業」の倒産 ~

 2022年上半期(1-6月)の「タクシー業」の倒産(負債1,000万円以上)は13件(前年同期比160.0%増)と急増。上半期では3年ぶりに前年同期を上回った。タクシー業の倒産13件のうち、「新型コロナ関連倒産」は10件で、長引くコロナ禍での人流変化で利用者の激減が経営を直撃した。
 資本金別では、13件すべてが資本金1億円未満で、個人企業他は5件(構成比38.4%)だった。また、従業員数は10人未満が6件(同46.1%)、形態別は破産が11件(同84.6%)と、小・零細規模のタクシー会社ほど業績回復が遅れ、事業継続の断念に追い込まれた。
 政府は原油価格の高騰を受け、LPガスを使用するタクシー業者に燃料高騰相当分を支援する「タクシー事業者に対する燃料価格激変緩和対策事業」を実施している。だが、コロナ禍で広がった外出自粛、在宅勤務やテレワークなどで人の流れが大きく変わった。さらに、感染防止の意識も高まり、タクシー業界の経営環境はコロナ禍の影響に翻弄されている。
 今夏は旅行、お盆の帰省などで活発な客足が期待されたが、7月後半の新型コロナの新規感染者数は過去最多を記録し、再びタクシー業界は不透明感が増している。コロナ禍も3年目に入り、コロナ関連の支援効果が薄れるなか、燃料費や人件費の上昇、ドライバー不足などの懸念材料を抱え、今後も息切れが倒産を押し上げるか注目される。

  • ※本調査は、日本産業分類の「一般乗用旅客運送業」(タクシー業)の2022年(1-6月)の倒産を集計、分析した。

件数13件、コロナ直撃で3年ぶりに前年同期を上回る

 2022年上半期の「タクシー業」倒産は、13件(前年同期比160.0%増)だった。このうち、『新型コロナ関連倒産』は10件(構成比76.9%)で、コロナ禍の影響の大きさを示している。
 コロナ関連の資金繰り支援や雇用調整助成金などの下支えで、倒産は抑制されている。しかし、支援効果は次第に薄れ、もともと資金余力が乏しい小・零細規模のタクシー業者の経営は厳しさを増し、上半期では2019年同期以来、3年ぶりに前年同期を上回った。
 主な倒産は、(株)厚木相中(神奈川県、負債4億4,600万円、4月特別清算)は、コロナ禍での乗客数の減少で業績が低迷し、2022年2月に株主総会で解散を決議した。太田タクシー(株)(群馬県、負債3億円、6月破産)は、新型コロナ感染拡大による外出自粛などで利用者が低迷、資金繰りも限界に達し2022年2月で事業を停止した。比叡山観光タクシー(株)(京都府、負債2億9,500万円、6月破産)は、コロナ禍での観光客の激減に加え、前代表者の死去で後継者も不在だったことから事業継続を断念した。

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【原因別】「販売不振」が8割超

 原因別は、最多が「販売不振」の11件(前年同期比120.0%増、前年同期5件)で、前年同期の2.2倍増と急増した。客足の戻りが鈍いまま資金繰りに行き詰まるケースが多い。
 「既往のシワ寄せ」は1件(同ゼロ)で、2年ぶりに発生した。
 『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は12件(前年同期比140.0%増、前年同期5件)で、全体の92.3%(前年同期100.0%)を占めた。
 長引くコロナ禍で人の移動が制限され、在宅勤務やテレワークの広がりも客足の減少を促した。徐々に客足が戻りつつあるが、コロナ前には届かず売上不振による倒産が多い。

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【形態別】破産が8割超

 形態別は、「破産」が11件(前年同期比175.0%増、前年同期4件)で、全体の84.6%を占めた。また、「特別清算」は前年同期と同件数の1件。これを合わせた消滅型倒産は12件(前年同期5件)で、倒産の92.3%と大半を占めた。
 再建型の「民事再生法」は1件(前年同期ゼロ)で、2年ぶりに発生した。
 小規模企業の倒産が大半で、客足が戻らず業績回復も遅れて先行きの見通しが立たないケースが多く、再建型より事業継続を断念する消滅型の倒産を選択している。

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【資本金別】13件すべてが1億円未満

 資本金別は、最多が「1千万円以上5千万円未満」の7件(前年同期比133.3%増、前年同期3件)で、半数(構成比53.8%、前年同期60.0%)を超えた。
 このほか、「個人企業他」が5件(前年同期ゼロ、構成比38.4%)、「1百万円以上5百万円未満」が1件(同50.0%減、同7.6%)だった。
 1億円以上はゼロで、上半期では2006年同期以降、17年連続で発生していない。

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【負債額別】1億円未満が約7割

 負債額別は、1億円未満が9件(前年同期比125.0%増、前年同期4件)と約7割(構成比69.2%、前年同期80.0%)を占めた。
 「1億円以上5億円未満」は4件(前年同期比300.0%増、前年同期1件)で、2年ぶりに前年同期を上回った。一方、「5億円以上10億円未満」は、上半期では2010年同期以降、13年連続で発生がない。また、10億円以上の大型倒産は、2018年同期から5年連続でゼロだった。

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【従業員数別】10人未満が4割超

 従業員数別は、最多が5人未満の6件(前年同期比100.0%増、前年同期3件)で、5人以上10人未満はゼロ(前年同期1件)だった。10人未満は6件(前年同期比50.0%増、前年同期4件)で、全体の46.1%(前年同期80.0%)と、約5割が小・零細規模だった。
 一方、50人以上300人未満は1件(前年同期ゼロ)で、2年ぶりに発生。300人以上は、上半期では2014年同期から9年連続で発生がなかった。

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