• TSRデータインサイト

鳥貴族HD 4期ぶりの最終黒字へ、客数回復や助成金収入が寄与

 6月10日、2022年7月期の連結業績予想を発表した(株)鳥貴族ホールディングス(TSR企業コード:571700365、東証プライム)は、客数の回復や助成金計上などで2018年7月期以来、4期ぶりに最終利益が黒字となる見通し。値上げが裏目に出た2019年7月期に赤字へ転落し、以降はコロナの影響で赤字が続いていた。

  2022年7月期の連結業績予想は、売上高204億2300万円(前期比31.0%増)、営業利益22億2900万円の赤字(前期46億6200万円の赤字)、最終利益11億9800万円(同4億6642万円の赤字)を見込む。期中は酒類提供の自粛要請が相次ぎ、一時は店舗休業も余儀なくされた。
 しかし、来店客の回復やコスト削減効果、助成金の計上などが利益を押し上げる見通し。また、人件費や原材料の上昇などから「焼鳥屋 鳥貴族」は今年4月28日から全品税込327円均一から同350円均一へ値上げも実施し、業績予想に織り込んだ。

 全店の月次売上高は5月まで6カ月連続で前年同月を上回った。5月の全店売上高は1659.0%増と大幅増だったが、前年5月は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令で対象地域の店舗は臨時休業しており、その反動が大きく、客単価も3.5%増にとどまった。今年5月の既存店売上高を2019年5月と比較しても16.8%減とコロナ禍前の水準には届かず、競争激化やコスト上昇など課題も多い。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ