「円安」関連倒産、2カ月ぶりに発生なし ~「為替」関連倒産~【2022年5月速報値】
2022年5月の「円安」関連倒産は、2カ月ぶりに発生がなかった。
4月28日の為替相場は、約20年ぶりに1ドル=131円24銭に急落した。5月31日は127円75銭まで戻したが、6月1日は再び129円22銭に下落するなど円安相場が続いている。
さらに、原油価格上昇、ロシアのウクライナ侵攻などでエネルギー価格に加え、原材料や資材、食料品の価格、人件費などのコストアップも強まっている。長引くコロナ禍で打撃を受けた企業は多く、大手メーカーでは、仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁する商品値上げが相次いでいる。一方で、中小企業は仕入価格の上昇分を価格転嫁することは容易ではなく、コロナ禍での業績不振と併せて収益圧迫を招いている。
電気、ガスなど公共料金が上昇するなか、身近な商材やサービスの値上げは消費者心理を冷やしかねない。130円前後の円安推移が長引くと、時間の経過とともに中小企業の採算を悪化させ、資金繰りの逼迫で倒産件数を押し上げることが懸念される。