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マレリ、米投資ファンド「KKRグループ」主導の再建策を示す

 3月1日に事業再生実務家協会に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請したマレリホールディングス(株)(TSR企業コード:022746064、さいたま市北区)の債権者会議が5月31日、東京都内で開かれた。マレリは、米投資ファンドのKKRグループ主導で再建を進めると示し、出席した金融機関に対して経営再建策への協力を要請した。

 債権者会議後、マレリの担当者は取材に応じ、既存株主と関係しない外部の有識者らでつくる選定委員会でスポンサーを決めたことを明らかにした。マレリの担当者は「(ADRを申請した)春以降、複数の候補から興味を持っていただき、透明性や効率性、中立性を鑑みて決定した」と経緯を説明したうえで、「他の候補と比較をした上で選定した」と語った。
 大規模な人員削減を含む拠点の整理、組織再編を検討していることも明かした。また、マレリの担当者は「法的整理となった場合を含め、いくつかの再建策を説明させていただいた。その中で、今回提示した再建策が最良であるとお伝えした」とコメントした。
 6月下旬に予定される次回の債権者会議で、本日示された再建策への賛否が諮られる。次回の会議で再建策が成立しなかった場合の資金繰りを問われると、「当座の資金繰りは十分流動性を持っている」と語るにとどめた。

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