• TSRデータインサイト

ジェネリック大手の日医工、「事業再生ADRも含め経営再建を検討」

 ジェネリック(後発薬)メーカーの日医工(株)(TSR企業コード: 590046195、富山県、東証プライム)は5月12日、一部報道を受けて「事業再生ADR手続利用も含め経営再建を検討している」と明らかにした。

日医工をめぐっては、富山第一工場での品質不正が発覚し、昨年3月に富山県から約1カ月間の操業停止処分を受けた。このため、多額の減損や棚卸資産評価損を計上し、財務内容が悪化。9月には、(株)メディパルホールディングス(TSR企業コード: 660021277、東京都、東証プライム)へ52億円の第三者割当を実施したが、2022年3月期の連結当期純利益は186億円の赤字(2021年11月11日開示)を見込むなど、経営再建が遅れていた。

日医工の2021年12月末の連結貸借対照表によると、借入金は約1,600億円。日医工の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「メインバンクは三井住友銀行。事業再生ADRを含めて検討をしているが、進捗状況などは答えられない」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2022年5月13日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ