• TSRデータインサイト

ジェネリック大手の日医工、「事業再生ADRも含め経営再建を検討」

 ジェネリック(後発薬)メーカーの日医工(株)(TSR企業コード: 590046195、富山県、東証プライム)は5月12日、一部報道を受けて「事業再生ADR手続利用も含め経営再建を検討している」と明らかにした。

日医工をめぐっては、富山第一工場での品質不正が発覚し、昨年3月に富山県から約1カ月間の操業停止処分を受けた。このため、多額の減損や棚卸資産評価損を計上し、財務内容が悪化。9月には、(株)メディパルホールディングス(TSR企業コード: 660021277、東京都、東証プライム)へ52億円の第三者割当を実施したが、2022年3月期の連結当期純利益は186億円の赤字(2021年11月11日開示)を見込むなど、経営再建が遅れていた。

日医工の2021年12月末の連結貸借対照表によると、借入金は約1,600億円。日医工の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「メインバンクは三井住友銀行。事業再生ADRを含めて検討をしているが、進捗状況などは答えられない」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2022年5月13日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年度の業績見通しに大ブレーキ 「増収増益」見込みが16.6%に急減

トランプ関税、物価高、「価格転嫁」負担で、国内企業の業績見通しが大幅に悪化したことがわかった。2025年度に「増収増益」を見込む企業は16.6%にとどまり、前回調査(2024年6月)の23.3%から6.7ポイント下落した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

3

  • TSRデータインサイト

チャプター11をめぐる冒険 ~ なぜマレリはアメリカ倒産法を利用したのか ~

ずっと日本にいるのに時差ボケが続いている。  「マレリのチャプター11が近いから関連サイトをチェックし続けろ」と6月6日に先輩に言われて以降、私の生活はアメリカ時間だ。

4

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

5

  • TSRデータインサイト

定量×定性分析 危ない会社は増えたのか?

2024年度の全国倒産が1万144件(前年度比12.0%増)と11年ぶりに1万件を超えたが、企業の倒産リスクはどの水準にあるのか。東京商工リサーチが企業を評価する「評点」と「リスクスコア」のマトリクスからみてみた。

TOPへ