• TSRデータインサイト

【独自】新電力のホープエナジー、一部契約者に電力供給停止を通知

 東証マザーズ上場の(株)ホープ(TSR企業コード:872231720、福岡市中央区)の子会社で、新電力事業を手掛ける(株)ホープエナジー(TSR企業コード:137083300、福岡市中央区)は3月14日、一部の電力小売契約者(需要家)宛てに、「弊社からの電力供給停止のお知らせ」を通知した。

 通知によると、3月15日24時をもってホープエナジーからの需要家に対する電力供給が停止となる。需要家は電気が使えなくなるわけではないが、3月16日以降、他の電力会社と新たに契約を締結するか、一般送電事業者へ最終保障供給を申し込む必要がある。新たな契約が完了次第、3月16日に遡って切替先が電力を供給したことになる。

 ホープエナジーは、昨今の電力取引価格の高騰など厳しい事業環境が続いていた。今回、ホープエナジーに帰する理由によって、3月11日付で一般送配電事業者の中部電力パワーグリッド(株)(TSR企業コード:130943827、名古屋市東区、以下中部電力PG)から託送供給契約にかかる解除通知を受け、電力供給を停止せざるを得ない状況となったとしている。ホープエナジーは東京商工リサーチ(TSR)の取材に対して、「電力供給停止の対象は中部電力PGの管轄内の需要家向けに限られている。供給停止に至った背景などについては追って連絡する」とコメントした。

 一方、中部電力PGはTSRの取材に対し、「正確にはホープエナジーとの契約は解約されていない。11日に現状の改善を申し入れ、改善されない場合は解約もあり得ると通知した」と話す。その上で、「事実関係に基づかないお知らせに困惑している。現在、(中部電力PGに)多くの問い合わせが寄せられているが、順次回答している」という。

 ホープエナジーは2021年12月にグループの持株会社体制への移行に伴い、電力小売部門を承継した。新電力をめぐっては、2021年1月以降、電力調達価格の高騰によって多額のインバランス料金の支払いなどを抱える企業が続出。ホープは2021年12月に、同年1月分の不足インバランス料金(約65億円、9分割支払い)の支払いがを完了したことを公表していた。

 ところが2021年10月以降、日本電力取引所(JEPX)での調達価格が想定以上に高値推移したことで逆ざやにより赤字が拡大。2022年6月期第2四半期決算(連結)で、80億4700万円の債務超過に陥ったうえ、2022年1月末返済予定の借入金の返済が遅延していることを発表。また、同決算でホープエナジーのエネルギー事業の約58億円の債務を2022年3月中旬以降、期日通りの全額弁済ができない可能性があるとしていた。
 なお、ホープは当該債務についての保証は行っていないという。

ホープの入居するビル

ホープの入居するビル(TSR撮影)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「鰻の成瀬」、株式譲渡を巡り対立が表面化~ 仮処分決定と株主間契約 ~

うなぎ料理専門店「鰻の成瀬」のフランチャイズ(FC)やコンサルティングなどを手掛けるフランチャイズビジネスインキュベーション(株)(TSRコード:136729983、滋賀県、以下FBI社)の周辺が騒がしい

2

  • TSRデータインサイト

キーボード「FILCO」のダイヤテック、忸怩たる破産 ~ 為替デリバティブと需要減、綱渡りの資金繰り ~

パソコン用キーボード「FILCO(フィルコ)」で知られあるダイヤテック(株)(TSRコード:292026617、東京都)が負債2億円あまりを抱えて4月30日、破産開始決定を受けた。

3

  • TSRデータインサイト

役員報酬額 歴代最高の134億円「セブン&アイHD」デピント元取締役

(株)セブン&アイホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント元取締役(2025年3月9日辞任)の2026年2月期の役員報酬額が、134億1,700万円と、過去最高額となった。5月20日に公表された有価証券報告書で判明した。

4

  • TSRデータインサイト

エステサロン、倒産が今年もハイペース ~1-4月は過去最多、高額契約は慎重に~

全身美容や脱毛などエステ・脱毛サロンの倒産が止まらない。2026年は4月までに35件に達し、同期間で過去最多だった2025年の31件を上回った。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ