2021年の上場企業倒産は、2016年以来 5年ぶりにゼロ【12月29日15時現在】
コロナ禍に見舞われた2021年。企業倒産が歴史的な低水準をたどり、前年2件発生した上場企業の倒産はゼロだった。上場企業の倒産ゼロは、2016年以来、5年ぶり。上場企業の倒産は、2020年9月の(株)Nuts(東京、JASDAQ上場、破産)以降、15カ月連続で発生していない。
上場企業の倒産は、高度経済成長、バブル景気に沸いた『昭和』は95件発生した(判明分)。次いで、バブル絶頂から崩壊につなっがた『平成』は、リーマン・ショック、東日本大震災など未曽有の事態も起き、1991年8月の(株)マルコー(東京、店頭、会社更生)から、2019年1月の(株)シベール(山形、JASDAQ、民事再生)まで合計234件と群を抜いて多い。『令和』では、初の上場企業倒産は2020年5月、アパレル業界をリードした名門(株)レナウン。中国親会社との関係悪化にコロナ禍が追い打ちをかけた。同年9月には(株)Nutsが破産開始決定を受け、合計2件にとどまる。
2021年は新型コロナ感染拡大の第5波が押し寄せ、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が度々発令された。上場企業も例外なくコロナ禍の影響を受けたが、輸出企業を中心に業績が持ち直し、内需産業も持ちこたえた。ただ、年末に新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大が懸念されており、コロナ禍の克服には不透明さも漂う。
1992年以降の30年間で上場企業の倒産は235件、負債総額は21兆6,473億円
2021年の上場企業の倒産は、2016年以来、5年ぶりに発生がなかった。また、上場企業の倒産は2020年9月に破産開始決定を受けた(株)Nuts(東京)以降、15カ月連続で発生がない。
1992年以降の30年間に倒産した上場企業は、合計235件(負債合計21兆6,473億円)を数える。最大の負債額は、2001年9月に民事再生法を申請した(株)マイカル(大阪)の1兆6,000億円。次いで、タカタ(株)(負債額1兆5,024億円)、日榮ファイナンス(株)(同1兆円)が続く。