• TSRデータインサイト

コロナ禍で駐車場不振が長期化 パーク24が116億円の最終赤字

最終赤字は2期連続

 「タイムズパーキング」を運営する駐車場大手のパーク二四(株)(TSR企業コード:292648243、品川区、東証1部)は、長引くコロナ禍で駐車場の稼働が回復せず、2021年10月期(連結)の最終利益が116億5800万円の赤字だった。最終赤字は2期連続で、コロナ禍で外出控えが進み、駐車場の稼働が低迷したほか、カーシェアの「タイムズカー」の回復も遅れた。

 12月15日に2021年10月期の連結決算を発表した。売上高は2511億200万円(前期比6.6%減)、営業利益80億3900万円の赤字(前期146億9800万円の赤字)、最終利益116億5800万円の赤字(同466億5200万円の赤字)だった。

 10月末の「タイムズパーキング」など駐車場の運営台数は、日本を含め世界で約130万台に達する。カーシェア事業の「タイムズカー」も強化し、コロナ禍前まで順調に事業を拡大してきた。しかし、新型コロナ感染拡大で駐車場やカーシェアの環境が一変し、人流抑制で稼働が低下していた。コスト削減策を進めているが、2期連続の赤字と苦戦が続いている。

 同日発表した2022年10月期の連結業績予想では、売上高2830億円、営業利益135億円、最終利益25億円と回復を見込んでいる。

パーク24

‌コロナの影響が重いパーク24(TSR撮影)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年度の業績見通しに大ブレーキ 「増収増益」見込みが16.6%に急減

トランプ関税、物価高、「価格転嫁」負担で、国内企業の業績見通しが大幅に悪化したことがわかった。2025年度に「増収増益」を見込む企業は16.6%にとどまり、前回調査(2024年6月)の23.3%から6.7ポイント下落した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

3

  • TSRデータインサイト

チャプター11をめぐる冒険 ~ なぜマレリはアメリカ倒産法を利用したのか ~

ずっと日本にいるのに時差ボケが続いている。  「マレリのチャプター11が近いから関連サイトをチェックし続けろ」と6月6日に先輩に言われて以降、私の生活はアメリカ時間だ。

4

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

5

  • TSRデータインサイト

定量×定性分析 危ない会社は増えたのか?

2024年度の全国倒産が1万144件(前年度比12.0%増)と11年ぶりに1万件を超えたが、企業の倒産リスクはどの水準にあるのか。東京商工リサーチが企業を評価する「評点」と「リスクスコア」のマトリクスからみてみた。

TOPへ