• TSRデータインサイト

スーツ不振が長期化 大手4社の赤字続く

 コロナ禍でのリモートワーク定着や外出控えなどで需要減が深刻な紳士服大手4社の業績回復が遅れている。「紳士服のコナカ」などを展開する(株)コナカ(TSR企業コード: 350617880、東証1部)は、2021年9月期の連結営業利益は78億2500万円の赤字だった。3月期決算の他の大手3社の2021年4-9月(中間)の連結営業利益も、そろって赤字で苦戦が続いている。

 11月15日、コナカが2021年9月期の通期連結決算を発表した。それによるとコロナ禍の長期化で来店客数が想定を下回ったほか、連結子会社の(株)サマンサタバサジャパンリミテッド(TSR企業コード: 293842310、東京都港区、マザーズ)の不振も響いた。

 3月期決算の大手3社は11月12日までに4-9月(中間)決算を発表している。「洋服の青山」、「ザ・スーツカンパニー」などを展開する業界トップの青山商事(株)(TSR企業コード:720045720、東証1部)の連結営業利益は70億5900万円の赤字、「AOKI」などを運営する(株)AOKIホールディングス(TSR企業コード:292080697、東証1部)は同30億9400万円の赤字、(株)はるやまホールディングス(TSR企業コード:710025203、東証1部)は、同36億5900万円の赤字だった。

 紳士服大手4社は、コスト削減や店舗閉鎖などを加速している。3月期決算の3社はいずれも2022年3月期の連結決算では営業利益を黒字予想し、コナカも2022年9月期の連結業績予想は黒字転換を見込む。AOKIホールディングスは、新生活様式のニーズの応えた「パジャマスーツ」を新たに展開している。これから卒業式、入社式などの需要期を迎えるが、コロナ感染者数の動向や在宅勤務の定着次第では回復が遅れる可能性も残している。

苦戦続く紳士服業界

苦戦が続く紳士服業界

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ