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居酒屋倒産が過去2番目の多さ、新型コロナの影響が甚大(2021年1月-10月飲食業倒産動向)

 2021年1月-10月の「飲食業」倒産(負債1,000万円以上)は557件(前年同期比23.6%減)で、コロナ禍の各種支援策が奏功し、5月を除く9カ月で前年同月を下回った。
 ただ、飲食業倒産のうち、新型コロナ関連倒産は260件と約5割(構成比46.6%)を占め、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けている。
 9月末をもって緊急事態宣言などが全面解除され、10月25日以降は一部地域を除いて時短営業要請も解除された。しかし、長引くコロナ禍で生活様式は変化し、飲食店の売上がコロナ禍以前の水準まで戻るかは不透明だ。
 業種別では、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」は130件(前年同期比13.3%減)と前年同期を下回ったが、新型コロナ関連倒産は76件と、約6割(構成比58.4%)を占めた。休業や時短営業、酒類の提供制限で団体客や宴会需要が蒸発し、居酒屋の経営は打撃を受けている。
 東京商工リサーチ(TSR)が10月1~11日に実施したアンケート調査では、9月の売上がコロナ前(2019年9月)と比較して「半減以下」と回答した飲食業は43.0%にのぼった。
 また、忘年会・新年会開催の有無は、「(緊急事態宣言などに関係なく)開催しない」と回答した企業が7割(構成比70.4%)に達する。
 支援策が縮小するなか、年末年始の書き入れ時への期待も薄く、売上回復には時間が掛かるとみられ、今後の飲食業の倒産動向が注目される。

  • ※本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)の2021年(1-10月)の倒産を集計、分析した。

新型コロナ関連倒産の割合が高止まり、4カ月連続で4割超

 2021年1月-10月の「飲食業」倒産は、557件(前年同期比23.6%減)で、1月-10月としては3年ぶりに前年同期を下回り、2016年(529件)以来の500件台にとどまった。
 飲食業は、消費増税や人手不足による人件費高騰などで、2019年9月以降、倒産は増加傾向にあった。2020年は新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言などで、休業や時短営業などを強いられ年間では過去最多の842件を記録した。
 しかし、2021年に入るとコロナ関連の支援策が浸透し、倒産は低水準に抑制されている。ただ、新型コロナ関連倒産は260件と飲食業倒産の半数近く(構成比46.6%)を占める。新型コロナ関連倒産の月別構成比は、1月43.3%、2月35.1%、3月43.6%、4月53.7%、5月49.0%、6月38.3%、7月52.5%、8月48.2%、9月55.7%、10月44.8%と、夏場から高水準で推移している。

飲食業

【業種別】コロナ関連倒産が押し上げ、居酒屋倒産が30年間で2番目の多さ

 業種別は、最多が日本料理店や中華料理店、ラーメン店、焼肉店などの「専門料理店」の151件(前年同期比14.6%減)。次いで、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」130件(同13.3%減)、「食堂,レストラン」100件(同40.8%減)の順。
 居酒屋は、1月-10月では30年間で2020年同期(150件)に次ぐ2番目の多さだった。また、年間でも、過去2番目の2014年の141件を超える可能性が出ており、コロナ禍での居酒屋の苦境が鮮明となっている。
 倒産に占める新型コロナ関連倒産の構成比は、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」が58.4%(新型コロナ関連倒産76件)、「専門料理店」が50.3%(同76件)と、この2業種で5割を超えた。

飲食業

【原因別】増加は「事業外の失敗」のみ

 原因別の最多は、「販売不振」の477件(前年同期比23.1%減)だった。
 増加は、「事業外の失敗」の3件(同200.0%増)のみ。
 減少率の最大は「運転資金の欠乏」の4件(同55.5%減)で、コロナ禍での資金繰り支援の効果で減少した可能性がある。
 『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は507件(同22.2%減)で、飲食業倒産に占める構成比は91.0%(前年同期89.3%)で、9割を超えた。

飲食業

【負債額別】「5億円以上10億円未満」で増加

 負債額別では、「5億円以上10億円未満」が11件(前年同期比37.5%増、前年同期8件)で唯一増加した。中堅規模の飲食事業者では、新型コロナの影響と支援策のミスマッチが倒産に繋がった可能性もある。
 ただ、最多は「1千万円以上5千万円未満」の414件(前年同期比27.4%減、構成比74.3%)で、飲食業倒産の7割以上を占め、引き続き体力の乏しい小・零細企業が中心となっている。
 「10億円以上」は4件(前年同期比33.3%減、前年同期6件)発生した。

【都道府県別】 増加16、減少28、同数3

 都道府県別では、増加が16県、減少が28都道府県、同数が3県だった。
 増加は、青森3→5件、岩手1→3件、山形1→3件、茨城6→14件、栃木8→14件、群馬7→8件、長野4→5件、石川7→9件、兵庫42→47件、鳥取1→2件、島根2→4件、山口9→14件、香川1→2件、長崎2→4件、大分3→4件、沖縄3→4件の16県。
 地区別では、9地区のうち、8地区で前年同期を下回った。唯一、東北(15件)が前年同期と同件数だった。

飲食業

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