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大塚家具、ヤマダホールディングスが完全子会社化 21年8月に上場廃止へ

 

 (株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区、JASDAQ)は、株式交換の方式で(株)ヤマダホールディングス(TSR企業コード:270114270、高崎市、東証1部)の完全子会社となり、2021年8月30日に上場廃止を予定していると6月9日に発表した。1980年6月に店頭登録後、40年以上上場を続けていた。
 大塚家具は2019年12月、ヤマダデンキなどの持株会社のヤマダHDの傘下に入り、経営再建を進めていた。2020年12月、大塚久美子前社長が辞任し、以降はヤマダHDの社長の三嶋恒夫氏が大塚家具の会長兼社長も務めている。
 2021年4月期(非連結)の業績は、売上高277億9900万円(前期348億5500万円)、営業利益20億7300万円の赤字(前期76億1100万円の赤字)、最終利益23億7100万円の赤字(同77億1800万円の赤字)だった。赤字幅は大幅に縮小したが、2016年12月期から5期連続の赤字と苦戦が続く。2022年4月期の業績予想は上場廃止の見込みのため発表を控えた。
 大塚家具は、ヤマダデンキの店舗での家具販売に加え、大塚家具の店舗で家電を販売するなど、領域が広がり相乗効果が出ている。ヤマダHDは大塚家具の完全子会社化で、機動的な意思決定を可能にできるとし、大塚家具の経営再建のスピードを早める狙いだ。


大塚家具

‌            ヤマダHDの完全子会社となる大塚家具(TSR撮影)                  

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