• TSRデータインサイト

レオパレス21 3期連続の最終赤字、84億円の債務超過に転落

当期利益は236億8000万円の赤字

 経営再建中の(株)レオパレス21(TSR企業コード:291293581、中野区、東証1部)は5月14日、2021年3月期(連結)の最終利益が236億8000万円の赤字だったと発表した。施工不良問題などで入居率が低下し、賃料収入の落ち込みや資金調達、支払利息の負担も嵩んだ。2019年3月期以降、3期連続の最終赤字で、東証基準で84億9400万円の債務超過に転落した。
 2021年3月期(連結)は、売上高4089億5900万円(前期比5.7%減)、営業利益291億8200万円の赤字(前期364億7300万円の赤字)、最終利益236億8000万円の赤字(同802億2400万円の赤字)だった。
 レオパレス21は2020年11月、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループから第三者割当増資や融資などで572億1500万円の資金を調達した。また、約1000人の希望退職者の募集や固定資産の売却などコスト削減も進めている。しかし、業績改善や財務強化のほか、施工不良物件の改修工事など課題が山積している。
 同日、発表した2022年3月期連結予想は売上高4029億円、営業利益20億円の黒字、最終利益56億円の赤字と4期連続の最終赤字を見通している。レオパレス21は、「新株予約権の行使を見込まない前提で2023年3月期末に自己資本毀損を解消するよう努める」としている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「他都道府県への本社移転」 1万6,271社 TSMC効果?九州が転入超過トップ、県別トップは埼玉県

2024年度に他都道府県に本社・本社機能を移転した企業は1万6,271社(前年度比18.7%増)で、前年度から大きく増加した。コロナ禍からの人流回復や需要変化に合わせ、本社移転の動きが活発化している。

2

  • TSRデータインサイト

創光科学の「破産開始決定」が取消しに ~上場子会社、複雑に絡まり合う利害関係 ~

東証プライム上場の医療機器メーカー、日機装(株)(渋谷区)は5月15日、連結子会社の創光科学(株)(渋谷区)の破産開始決定の取消しに関する経過を開示した。 破産手続きを巡り、2年にわたる親会社VS創業者の異例の抗告合戦へと発展した事件は、最高裁の判断でようやく決着した。

3

  • TSRデータインサイト

警備業界は大手2社の寡占化が進む 人手不足で倒産・休廃業が過去最多

全国の主な警備会社828社の2024年の業績は、売上高が1兆9,180億円(前年比2.6%増)、最終利益は1,604億円(同15.6%増)と、堅調に推移している。 業界市場は拡大しているが、大手の寡占化が進み、中小・零細事業者は人手不足でコストが上昇し、経営環境は厳しさを増している。

4

  • TSRデータインサイト

「雇調金」不正受給 倒産率は平均の約31倍 不正公表1,699件、サービス業他が45%

全国の労働局が4月30日までに公表した「雇用調整助成金」(以下、雇調金)等の不正受給件数は、2020年4月からの累計が1,699件に達した。不正受給総額は551億6,918万円にのぼる。

5

  • TSRデータインサイト

マレリにマザーサンが買収提案、私的整理の協議の行方は ~ 「マザーサンの提案は選択肢の一つ」 ~

自動車部品大手のマレリホールディングス(株)は5月26日、私的整理を協議するために都内で集会を開催した。 集会後、マレリHDの関係者が東京商工リサーチの取材に応じ「マザーサンの買収提案は選択肢の一つだ。それしかないような報道がなされているが、一択ではない」とコメントした。

TOPへ