• TSRデータインサイト

SBIソーシャルレンディング 第三者委員会が法令違反を指摘、SL事業から撤退も視野に

 SBIホールディングス(株)(TSR企業コード:293749795、以下SBIHD)は4月28日、グループのソーシャルレンディング会社が設置した第三者委員会から審査体制の不備などの指摘を受け、前代表の解任など社内処分や再発防止策を策定したと発表した。また、ソーシャルレンディング事業からの撤退も視野に入れていることを明らかにした。

 同日、会見した北尾吉孝・SBIHD社長は「訴訟手続きをとって、司法で明らかにする」と述べた。質疑応答で北尾社長は「(ソーシャルレンディング事業について)新規営業はストップ、売却または退却し、残務整理をやっていく」とコメント。また、投資家の元本を保証していく意向も示した。

 子会社のSBIソーシャルレンディング(株)(TSR企業コード:297322095、以下SBISL)は今年2月、貸付先の事業運営に重大な懸案事項が生じている可能性を発表。SBISLが設置した第三者委員会によると、SBISLは横浜市内の不動産開発でA社に16億2600万円を貸し付け、21年2月頃に建物が竣工する予定だった。だが、21年1月時点で工事着工の事実は認められなかったという。

 また、SBISLが投資家に提示していた資金使途が、当初の計画にない支払いや他のファンドへの利息支払金として送金した可能性があることも判明。第三者委員会はSBISLに対して、資金使途に関する誤解を生じるような表示があったと指摘した上で、実効的な審査が行われず、適切なモニタリングを実施してこなかったとして、経営トップの営業優先の姿勢も問題視した。

 同委員会の指摘を受け、SBIHDは再発防止策として、経営陣の意識改革や独立した貸付審査部門の新設などを発表。さらに、SBISLの前代表取締役の取締役解任、取締役副社長を副社長から取締役に降格、役員報酬の返上や減額などの処分を明らかにした。

 SBIHDは4月2日、問題の貸付に関連して、金融商品取引法違反に該当する疑いがあった可能性が高いとして、未償還元本相当額の償還も検討することを公表していた。また、SBIHDは28日、「今後、新規ファンド募集は行わず、運用中のすべてのファンドの償還が完了後、ソーシャルレンディング事業からの撤退も視野」に入れていることを明らかにした。投資家保護には万全を期すとしている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ