• TSRデータインサイト

「過剰債務に関するアンケート」調査

 コロナ禍での政府や自治体、金融機関の手厚い資金繰り支援で、2020年度(4-3月)の企業倒産(負債1,000万円以上)は7,163件と、30年ぶりに8,000件を割り込んだ。
 一方、「実質無利子・無担保融資」など貸付型の支援や「新型コロナ特例リスケジュール」などのリスケ型支援は、資金繰りの下支えに効果を発揮したが、過剰債務を招いたとの指摘もある。
 東京商工リサーチは債務の過剰感についてアンケートを実施した。それによると、中小企業の21.8%が「コロナ後(概ね2020年2月以降)に過剰となった」と回答。「コロナ前から過剰感がある」(13.2%)を含め、35.0%の中小企業が過剰債務を実感している実態が浮き彫りとなった。
 「事業再構築補助金」などポストコロナに向けた取り組みを後押しする政策が推進されているが、こうした制度を検討する以前に抜本的な事業再生が必要な企業は多い。企業の財務状況、ライフステージに沿ったきめ細やかな伴走型支援が必要になっている。

  • 本調査は、2021年4月1日~12日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答8,473社を集計、分析した。
    資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。

Q.貴社の債務(負債)の状況は、次のうちどれですか?(択一回答)

中小企業の3社に1社が「過剰債務」
 調査では、負債比率や有利子負債構成比率など財務数値に限定せず、債務の過剰感を聞いた。
 大企業では「コロナ前から過剰感」は8.0%(1,146社中、92社)、「コロナ後に過剰感」は9.1%(105社)で合計17.1%が「過剰債務」と回答した。中小企業ではそれぞれ13.2%(7,327社中、971社)、21.8%(1,597社)で、「過剰債務」は合計35.0%だった。

過剰債務

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

大手ホテル好調 客室単価と稼働率が同時上昇 客室単価はコロナ禍の2倍超、稼働率は83.3%

インバウンド需要と国内旅行の復活で、大手ホテルの客室単価と稼働率が、コロナ禍以降で最高を更新した。 ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年度の客室単価は、1万7,818円(前年度比8.6%増)で前年度より1,424円上昇した。稼働率は83.3%(前年度82.3%)で、高水準を維持した。

3

  • TSRデータインサイト

経営責任を取る事業再生、ジュピターコーヒーは黒字化へ ~ ネクスト・キャピタル・パートナーズ 単独インタビュー ~

2025年度の企業倒産は1万505件(前年度比3.5%増)で、2年続けて1万件を超えた。 こうしたなか、20年を超すファンド運営で事業再生を数多く手掛けてきたのがネクスト・キャピタル・パートナーズ(株)だ。浅野晃司・取締役執行役員に特色や取り組みを聞いた。

4

  • TSRデータインサイト

企業の7.8%で退職金「増額・導入」  「減額・廃止」企業は月給などへ、資産形成は自己責任

これまで「年功序列」や「終身雇用」が前提の日本の会社では、長く勤め上げてまとまった退職金を受け取ることが一般的だった。だが、東京商工リサーチ(TSR)のアンケート調査で、2023年以降の退職金制度は「増額・導入」が7.8%に対し、「減額・廃止」は1.9%だった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ